Project/Area Number |
23K15209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 邦裕 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20467939)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2027: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 膠原病関連間質性肺炎 / B細胞 / 肺線維化 |
Outline of Research at the Start |
膠原病関連間質性肺炎の詳細な機序は不明である。本研究では病的B細胞が膠原病関連間質性肺炎の進行に関与していると仮説を立て、(1) 間質性肺炎患者から採取した気管支肺胞洗浄液中のB細胞をマスサイトメトリーで解析し、病態に関与が疑われるB細胞亜集団を同定する。 (2) 膠原病間質性肺炎マウスモデル(SKG)を用いてヒト同様の病的B細胞を探索する。B細胞(もしくはその亜集団)を単離し、サイトカイン産生能や抗原提示能などの細胞学的な機能解析を行う。また別マウスに移植、またはPrecision cut lung slices 上でのEx vivo培養を行い、間質性肺炎が誘導されるかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
膠原病関連間質性肺炎に関与する病的B細胞の探求 膠原病関連間質性肺炎の詳細な機序は不明である。本研究では病的B細胞が膠原病関連間質性肺炎の進行に関与していると仮説を立て、(1) 間質性肺炎患者から採取した気管支肺胞洗浄液中のB細胞をマスサイトメトリーで解析し、病態に関与が疑われるB細胞亜集団を同定する。 (2)膠原病間質性肺炎マウスモデル(SKG)を用いてヒト同様の病的B細胞を探索する。B細胞(もしくはその亜集団)を単離し、サイトカイン産生能や抗原提示能などの細胞学的な機能解析を行う。また別マウスに移植、またはPrecision cut lung slices 上でのEx vivo培養を行い、間質性肺炎が誘導されるかを検証する。 関節リウマチやシェーグレン症候群、皮膚筋炎といった膠原病では間質性肺炎を合併することが知られており、そのうち約半数は線維化が進行し予後不良である。治療としてはステロイド・免疫抑制剤や、抗線維化薬としてnintedanibを使用するが、病状進行を完全に抑制できることは稀であり、十分な治療法があるとは言えない状況である。また、ステロイドや免疫抑制剤を使用した場合は、日和見感染やステロイド糖尿病・骨粗鬆症といった様々な副作用が臨床上問題となり、副作用の少ない治療法開発も急務である。患者血清中に自己抗体が検出される事が多く、B細胞の関与が疑われるが、膠原病関連間質性肺炎の病態におけるB細胞の関与については不明である。我々は、「膠原病関連間質性肺炎の発症と病状進行に関与する病的B細胞が存在するのではないか」と問いを立て、これを解明することを本研究の目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は主に探索的実験として、臨床検体の解析を行った。即ち、2020年1月から2022年5月まで凍結保存している膠原病関連間質性肺炎患者より採取した気管支肺胞洗浄液をマスサイトメトリーにて解析した。Disease controlとして他の間質性肺炎(特発性間質性肺炎、薬剤性間質性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺炎)を用いた。具体的には、64のmarkerを含む2つのパネルを使用して、マスサイトメトリー分析を行い、膠原病関連間質性肺炎の患者由来の気管支肺胞洗浄液中の特徴的な免疫細胞のサブセットの同定を行った。解析する細胞表面markerとしては、Lineage negative marker、B細胞亜集団markerの組み合わせを使用した。これにより未熟、成熟、メモリー、形質細胞、形質芽球、Age-associated B細胞、活性化B細胞を識別し検出した。マスサイトメーター Helios (Fluidigm)でデータを取得する。多数のmarkerによる高次元データは、解析用クラウドプラットフォームCytobankに登録して集約した。その上で、解析アルゴリズムを用いて高次元データの低次元への圧縮・可視化、差異の検出などの解析を行った。その結果、膠原病関連間質性肺炎では、IgGメモリーB細胞の割合が高く、FCRL5 B細胞が増える傾向にあった(Front Immunol. 2023 Mar 6;14:1145814. doi: 10.3389/fimmu.2023.1145814. eCollection 2023.)。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体に関しては、気管支肺胞洗浄液の解析結果と臨床情報の関連性を探索していく。特に、膠原病関連間質性肺炎に特異的に出現しているB細胞亜集団が、間質性肺炎の進行 (呼吸機能検査上の肺活量低減、胸部CT検査での病変の進行、酸素化)に関係するかを後視的に確認する。さらには、動物モデルを用いて、臨床検体より得られた知見の確認を行っていく予定である。即ち、SKGマウスにzymosan腹腔内投与を行い膠原病関連間質性肺炎の動物モデルを作成する。コントロールとしてBALB/cマウスを用いる。投与方法は既報を参照に、8週齢メスマウスを用い、0.5 mLで懸濁したzymosan 7.5 mgを1回腹腔内投与し、2ヶ月後に解析する。間質性肺炎は肺病理組織のHematoxylin and eosin染色、Masson-Trichrome染色などで確認する。マウスモデルの肺内、リンパ組織、末梢血中のB細胞数・分画を調べる。また、同マウスよりmagnetic cell sortingまたはflow cytometry sortingによってB細胞を単離し、サイトカイン産生能、抗原提示能をin vitroにて確認する。単離したB細胞をコントロールマウス(BALB/c)またはzymosan投与していないSKGマウスに尾静脈投与により移植して、間質性肺炎発症、もしくは間質性肺炎進行が認められるかを確認する。また、コントロールマウス肺を単離した後にPrecision cut lung slices (PCLS)を作成し、間質性肺炎発症マウスから単離したB細胞をPCLS上で培養、B細胞と肺組織中細胞の相互作用を評価する。更にはSKG マウスにzymosan腹腔内投与した後、抗CD19抗体を静脈投与してB細胞を除去し、間質性肺炎発症を抑制できるかを確認する。
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