Project/Area Number |
23K15232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮岡 大知 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (80881101)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 腸内細菌 / 慢性腎不全 / 心血管疾患 / CKD-MBD / dysbiosis / 慢性腎臓病 / 透析 / 骨ミネラル代謝異常 |
Outline of Research at the Start |
心血管疾患(CVD)による死亡が特に多い血液透析(HD)患者において、腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)と総死亡の関連は示されているが、その病態メカニズムは明らかではなく、具体的な腸内微生物叢の報告も少ない。 本研究では、慢性腎臓病(CKD)とCVDを繋ぐ心腎連関の背景として、骨ミネラル代謝異常(MBD)と腸内細菌叢の関与に着目し、HD患者の糞便サンプルを用いてメタゲノム解析を行う。HD患者に特徴的な腸内細菌を見つけることで、治療標的となるpathobiontの候補を探索し、ノトバイオートの実験系を用いたCKD-MBDモデルマウスにより、MBDへの影響を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、心血管疾患(CVD)の基盤病態としてinflammagingが提唱され、その背景として腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)や、疾患の病態に直接的に関わる腸内共生病原菌(pathobiont)の存在が注目されている。CVDによる死亡が特に多い血液透析(HD)患者において、dysbiosisと総死亡の関連は示されているが、その病態メカニズムは明らかではなく、具体的な腸内微生物叢の報告も少ない。 本研究では、慢性腎臓病(CKD)とCVDを繋ぐ心腎連関の背景として、骨ミネラル代謝異常(MBD)と腸内細菌叢の関与に着目し、HD患者の糞便サンプルを用いてメタゲノム解析を行う。HD患者に特徴的な腸内細菌を見つけることで、治療標的となるpathobiontの候補を探索し、ノトバイオートの実験系を用いたCKD-MBDモデルマウスにより、MBDへの影響を検証する。本年度は、まず、HD患者と健常対照群の糞便サンプルについて、腸内細菌およびウイルスのゲノムを抽出後、次世代シーケンサーを用いてゲノム配列を解析した。さらに、スーパーコンピュータを用いて、まずは16s rRNA解析を行い、HD患者の腸内微生物叢の構成の同定を行った。また、マウスを用いた臨床データの検証を行うため、アデニンおよび高リン食負荷によるCKD-MBDモデルマウスを作製して基礎検討を行い、表現型を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連病院およびボランティアの会の協力の下、末期腎不全患者および、年齢と性別をマッチさせた健常対照群をリクルートし、目標としていた糞便サンプル数の収集を達成することができた。また、次世代シーケンスによって得られたゲノムデータをスーパーコンピュータで実際に解析し、16s rRNA解析レベルではあるが、疾患群に特徴的な菌叢の差異を見出すことができた。今後実験系として用いるCKD-MBDモデルマウスに関しても、再現性を持って表現型の評価ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、全ゲノム解析を行い、得られた微生物の配列から同定された遺伝子を機能データベース(KEGG: Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)で相同検索することにより、代謝系やシグナル伝達系におけるパスウェイをはじめとするさまざまな遺伝子機能解析を行う予定である。HD患者と健常対照群の間で異なる種レベルでの微生物叢の構成および遺伝子群等に注目し、その意義をより詳細に検討する。また、患者糞便やHD患者に特徴的な標的菌株を用いたノトバイオートの実験系を用いて、CKD-MBDモデルマウスにおける炎症およびMBD指標への影響を検証することで、腸内細菌の免疫学的機序を介した病因的役割を明らかにしたいと考えている。
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