Project/Area Number |
23K15282
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
滝 奉樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00846727)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | Dorfman-Chanarin症候群 / トリアシルグリセロール / ABHD5 / PNPLA1 / 魚鱗癬症候群 / TAG代謝 |
Outline of Research at the Start |
Dorfman-Chanarin症候群(DCS)とは、細胞内のトリアシルグリセロール(TAG)代謝に必須の酵素であるABHD5の欠損による、重症型の魚鱗癬症候群である。本研究では、これまで未解明であった、DCSの魚鱗癬と、ABHD5がどのように関連して脂肪滴を形成し、またその結果どのように先天性魚鱗癬様紅皮症の症状をきたすのかを解明し、その結果から、DCSの魚鱗癬に対する治療法を模索する。これらが実証されれば、従来保湿剤などの対症療法が治療法のメインであったDCSの皮膚病変に対し、新たな治療法が生み出される可能性があることに加え、他の臓器に対しても有効な治療法が開発される可能性を秘めている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
Dorfman-Chanarin症候群(DCS)とは、細胞内のトリアシルグリセロール(TAG)代謝に必須の酵素であるABHD5(別名CGI-58)の欠損による、重症型の魚鱗癬症候群である。多臓器に渡り細胞内脂肪滴を形成し、各臓器を障害する。TAGがさまざまな細胞の細胞質内に蓄積し、脂肪滴を形成する。先天性魚鱗癬様紅皮症様の皮膚症状の他に、肝障害、難聴、精神遅滞、運動失調、成長障害、白内障などを引き起こす。ABHD5は脂肪細胞特異的トリグリセリドリパーゼ(Adipocyte Triglyceride Lipase: ATGL 別名 Patatin-like Phospholipase 2: PNPLA2)と相互作用し、その働きを活性化させることが知られていた。しかし、ATGL遺伝子変異の症例や、AtglノックアウトマウスはTAGの貯蔵異常は示すが、魚鱗癬を呈さないことから、ABHD5の欠損がどのようにDCSの魚鱗癬を引き起こすかは、長らく未解明であった。 本研究は、DCSの包括的病態解明を目指し、新規治療法開発に直結する基礎的データを得て、そこから新たな治療法を提案することを目的とする。 具体的には、①DCSモデルマウスを用いて、脂質解析を行い、主にセラミド合成障害について検討する。②①の検討から重要と判断された酵素をターゲットにした新規治療法を検討し、培養細胞及び、3次元培養皮膚モデルで治療効果判定を行う。③②の治療法を実際にDCSモデルマウスの表皮に投与し治療効果判定を行う。これらが実証されれば、従来保湿剤などの対症療法が治療法のメインであったDCSの皮膚病変に対し、新たな治療法が生み出される可能性があることに加え、他の臓器に対しても有効な治療法が開発される可能性を秘めている 本年度は、DCSモデルマウスの胎児の表皮を採取し、ABHD5および脂肪的などの脂質に関連する蛋白の免疫染色を行うための実験系の確立を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの表皮を上手く染めることが可能な抗体の入手が上手くいかず、病理組織学的観点から、ABHD5の機能実験ができない状況であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
市販されているABHD5の抗体は本年度すでにほとんど試したので、次年度は、ABHD5の抗体を作成すると同時に、RNA scopeなど少し異なった視点からの免疫組織学的染色を行って行く予定である。
|