Project/Area Number |
23K15287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
島田 秀一 熊本大学, 病院, 診療助手 (40908117)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 全身性強皮症 / miRNA / circRNA |
Outline of Research at the Start |
全身性強皮症は皮膚や臓器の線維化を主症状とする膠原病の一つであるが、その病態は未だ解明されておらず有効な治療法や臨床上有用なバイオマーカーもない。近年、環状RNA(circRNA)が見いだされ、circRNAがmicroRNAを介して遺伝子の発現調節を担っていることが示唆されているが、これまで強皮症との関連を報告した研究はない。本研究では、①全身性強皮症におけるcircRNAの病態への関与を明らかにし、②血清濃度を測定しバイオマーカーとしての可能性を探り、さらに③強皮症モデルマウスにおいてcircRNAをsiRNAなど阻害した際の治療の効果を検討したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
全身性強皮症は皮膚や臓器の線維化を主症状とする膠原病の一つであるが、その病態は未だ解明されておらず、有効な治療法や臨床上有用なバイオマーカーもない。本研究では全身性強皮症におけるcircRNAの病態への関与を明らかにし、血清濃度を測定しバイオマーカーとしての可能性を探りたいと考えている。まず次世代シーケンサーで40000種類を超える環状RNAを網羅的に調査し、circ523が対照群に比べ全身性強皮症患者の皮膚組織で強発現している可能性を見いだしている。 また、全身性強皮症の患者で減少しているmiR-29というmicroRNAを吸着する環状RNAであるcirc44519を同定しており、全身性強皮症の皮膚線維芽細胞のcirc44519を抑制するとmiR-29が増加することを見出した。現在、circRNAの全身性強皮症の病変部皮膚での特異的な発現変化の有無を、予備実験よりもさらに症例数を増やして確認している。 また、患者血清からRNAを抽出し、目的のcircRNAが実際に血清中にも発現しているのかどうか、real-time PCRで確認を行なっている。培養細胞あるいは皮膚組織の凍結標本からも同様に環状RNAを濃縮しcDNA化し、PCRを進めている。さらに、そのcircRNAが患者群において病勢マーカーとしての価値があるかを調べるため、具体的には、スキンスコアや手指の皮膚潰瘍との関連性、そして肺病変や消化管病変や腎病変の有無との相関を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞と皮膚組織の凍結標本からキットを用いてtotal RNAを抽出し、DNase IおよびRNase R で処理してlinear RNAを分解し環状RNAを濃縮し、その後にPrimeScript RT reagent Kitを用いてcDNA化し、得られたcDNAを鋳型としてQuantitative real-time PCRを行うという工程をとっているが、RNAの不安定さによるものか結果が安定しないことが多く、PCRの条件設定や抽出方法を試行錯誤している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿ってPCRを行うとともに、circRNA/linearRNA比と相対circRNA発現量の2つを評価する予定である。microRNAが転写因子などを介してcircRNAの発現を制御している可能性や、circRNAとmicroRNAが物理的に相互作用する可能性について検討していく。また、circRNAの血清中濃度の疾患マーカーとしての有用性を評価するため、血清中での発現が確認されたcircRNAについては患者群で血清circRNA濃度を測定し、正常対照群との比較を行い診断マーカーとしての評価を進めていく。
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