Project/Area Number |
23K15291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鎌田 啓文 岩手医科大学, 医学部, 任期付助教 (90910266)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | PEA15 / PEA15ノックアウト株 / PEA15siRNAノックダウン / PEA15shRNAノックダウン株 / ゼブラフィッシュ飼育 / DUSP4ノックアウトプラスミド / 悪性黒色腫 / 治療抵抗性 / 蛋白質フォスファターゼ |
Outline of Research at the Start |
申請者は、MAPキナーゼ経路を負に抑制するとされる二重特異性フォスファターゼ遺伝子 DUSPのうち、公開データベースより悪性黒色腫特異的に高発現し、生存・増殖促進に働くと されているDUSP4に着目した。先行研究では、悪性黒色腫培養株において、DUSP4-DUSP6-ERK の二重抑制経路が、生存を正に制御していることを見出した。 本研究では、①DUSP4長期抑制による増殖低下が可逆性か、細胞老化などによる不可逆性 のものか、②vemurafenib耐性株へのDUSP4抑制による増殖への影響、③悪性黒色腫形成系ゼ ブラフィッシュのDUSP4ノックアウトによる腫瘍増殖抑制効果について解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究にて悪政黒色腫が二重特異性フォスファターゼDUSP4遺伝子に生存を強く依存していること、またその機序がDUSP4-DUSP6-EAKの二重抑制経路が発現しているためであることを明らかにした。この分子機構が何故悪性黒色腫特異的にみられるのか、MAPK経路やその近接する経路を明らかにすることで、新たな知見が得られるのではないかと考えた。BRAFの上流に位置するNRAS変異株や、BRAF阻害薬であるベムラフェニブ耐性株におけるDUSP4抑制の影響を調べることを当初予定していたが、MAPK経路に近接する分子で悪性黒色腫に重要なものが無いかを調べることに変更した。DUSP4は公開データベースDepmapにて悪性黒色腫特異的に高発現していることと、生存を依存している傾向がみられ、実際に悪性黒色腫細胞を用いてそれらを証明した。同様にDepmapにてDUSP4ほどでは無いが、悪性黒色腫で発現が多く、生存を依存している分子にPEA15があることが分かった。PAE15を発現抑制した際の生存への影響を調べるため、悪性黒色腫のPEA15ノックアウト株のクローンを作成中。現在ノックアウト株を5株ほど取得している。また、siRNAを用いて悪性黒色腫のPEA15のノックダウンを行っているが、現在まだ30%ほどしかノックダウンできておらず、ノックダウン効率を上げるための条件等を模索中である。また、ドキシサイクリン等の条件下のみでPEA15のノックダウンを行うことができるshDUSP4を導入する株の作成も進めている。 また、in vivoにおいてDUSP4ノックアウトの影響を調べるため、悪性黒色腫高頻度形成ゼブラフィッシュ系統を作成するため、ゼブラフィッシュの適切な飼育環境を調べながら、ゼブラフィッシュの繁殖を継続している。DUSP4をノックアウトするためのプラスミドの構築は終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PEA15のノックダウン株は128ウェルマイクロプレートから、細胞を少しずつ増やし、ウェスタンブロットでPEA15の発現を確認できるまでの細胞数になるまでは1~2ヶ月ほどかかる。今回は一回目のノックアウト(CRISPER/Cas9システム)で、ノックアウトが得られた株を複数取得できたのは、順調な経過と言える。siRNAによるPEA15のノックダウン効率が悪く、ノックダウン条件を検討中であることは、まだ少しの時間を要すると考えられる。また、ノックダウン効率を確認してから、shRNAによる条件付きノックダウン株の作成を行う予定であり、その開始にも影響が及んでいる。ある程度の効率を確認したところで並行してshRNAノックダウン株を作成し始めることも検討している。ゼブラフィッシュは、プラスミドの導入などさまざまな侵襲を加える予定であり、それ自体が実験結果に影響を及ぼさない様な、理想的な飼育条件を構築することに、時間を要している。徐々に飼育環境は整ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
PEA15ノックアウト株を作成できたら、野生型と比較し、1週間での生存率を定性的評価する。また、PEA15のsiRNAでのノックダウン効率が十分に得られる条件を得ることができたら、PEA15のshRNAでのノックダウン株をクローンから作成する。同じ株において、ドキシサイクリンを入れてノックダウンした場合と、ノックダウンしない場合での生存率の違いを定性的評価する。生存率に差があるようであれば、細胞数を計測する定量的評価も併せて行う。PEA15ノックダウン時のDUSP4やDUSP6、ERKやリン酸化ERKなどのの発現量の変化をウエスタンブロッティングでタンパク量について、またqRT-PCRにてRNA量の変化を調べる。同様に、PEA15ノックアウト株でも、DUSP4やDUSP6の発現量を調べる。PEA15はDUSP6のように細胞質に存在しているという報告だが、その局在を確かめる。またERKの細胞質と核での活性化の比をKTR蛍光プローブを用いて、PEA15発現抑制の有無で調べる。ゼブラフィッシュにDUSP4ノックアウトプラスミドをエレクトロポレーションにて導入し、導入後も条件が変化せず飼育できるかを確認する。確認できたら、ゼブラフィッシュに発現した悪性黒色腫のDUSP4をノックダウンし、その影響を調べる。
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