Project/Area Number |
23K15293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
槇島 健一 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (50974101)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | クローン性造血 / ロングリードシークエンス / 早期診断パネル / 単一細胞解析カタログ |
Outline of Research at the Start |
クローン性造血(Clonal Hematopoiesis; CH)は幼少期から維持されている造血幹細胞に加齢性変化として遺伝子に変異をきたすことで、その変異細胞由来の血液細胞がクローン性に拡大していく事である。CHは造血器腫瘍の発症リスクや非血液疾患へ影響を与える事が明らかとされている健常人の単一細胞解析カタログを活用し、CHで起きる細胞の遺伝子発現変化から、加齢による免疫機能の変容を単一細胞レベルで明らかとする。またCHによる健康リスクとなるゲノム、エピゲノム変化を抽出し、CHの早期診断方法を確立し医学的介入が必要な集団の同定を可能にする事を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
クローン性造血は加齢により造血幹細胞に遺伝子変異が生じ、多様な造血幹細胞から分化する血液細胞集団の中に変異細胞由来の集団が拡大していく現象である。その細胞集団による慢性炎症の亢進や心筋梗塞などの冠動脈疾患リスクの上昇など、様々な疾患との関連性が報告されている。この現象をシングルセルレベルでの遺伝子発現変化の解析することは病態の理解に重要である。 今回我々は新規コホートを作成し集団内でのクローン造血について解析をおこなった。まずクローン性造血で変異が高頻度に報告されている49の遺伝子からなるパネルを設計し、ターゲットシークエンスを行った。コホート内の65%の個人にクローン性造血が存在する事を確認し、遺伝子プロファイルを作成した。DNMT3A、TET2遺伝子で高頻度に変異が認められ、加齢とともに変異遺伝子数が増加していく事が確認された。 次にセルソーターを用い、末梢血単核球からT細胞、B細胞、単球を分取し、同様にターゲットシークエンス実施した。各遺伝子変異の細胞分画間での変異アリル頻度を比較することで、どの分画でクローン性造血が拡大していくかを同定した。 次に単一細胞トランスクリプトーム解析を行い個人間での細胞集団のプロファイルを得た。従来通りのショートリードシークエンサーを用いた解析では、その解析領域のほとんどでクローン性造血遺伝子変異を同定することは困難であった。 次に単一細胞トランスクリプトームライブラリを、ロングリードシークエンスを使用し解析を実施した。従来のショートリードシークエンサー解析データで確認できなかった領域のシークエンスをすることで、ターゲットシークエンスで同定されていた遺伝子変異を38%の症例でクローン性造血遺伝子変異を同定することが可能であった。これらのデータを上記のシングルセルトランスクリプトーム解析データに反映させる事で、クローン性造血由来の細胞を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コホート集団内でのクローン性造血変異保有者の同定が完了した。 また、ロングリードシークエンサーを使用することで、単一細胞トランスクリプトーム解析データ内のどの細胞にクローン性造血変異が存在するかを明らかにした。 これにより今後の解析でクローン性造血変異由来細胞の特徴を単一細胞レベルで解析することが可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
単一細胞トランスクリプトーム解析で同定されたクローン性造血由来細胞の遺伝子発現プロファイルの作成、また単一細胞クロマチンアクセシビリティ解析によるエピジェネティクス変化プロファイルを作成する。 そこから得られたクローン性造血細胞情報を元に、クローン性造血細胞と正常細胞の免疫能の変化を比較し、前駆クローン性造血細胞の存在を探求する。
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