Project/Area Number |
23K15296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉藤 康太 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20830128)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 原発性眼球内リンパ腫 / 中枢神経浸潤 / 網羅的遺伝子解析 / 中枢神経進展リスクモデル / 付加的遺伝子異常 / セルフリーDNA |
Outline of Research at the Start |
PVRLは病変が眼球内に限局している稀なリンパ腫であり、高率に中枢神経浸潤を来すため予後は不良であるが、その詳細な機序やリスク因子は不明である。本研究は、PVRLの診断時/再発時硝子体や、中枢神経領域進展時の脳組織・脳脊髄液等の検体を用いて網羅的遺伝子解析を実施し、中枢神経浸潤に寄与している遺伝子異常を同定することを目的とする。また、初発時脳脊髄液のセルフリーDNAを用いて網羅的遺伝子解析を行うことで、診断当初から存在している微小病変の有無を評価する。その結果、中枢神経領域進展リスクモデルの確立、中枢神経浸潤予防の層別化や、遺伝子異常に基づく分子標的治療戦略を提案し、予後改善が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、原発性眼球内リンパ腫(PVRL)の診断時/再発時硝子体、中枢神経浸潤時の脳組織や脳脊髄液等の臨床検体を用いて網羅的遺伝子解析を実施し、中枢神経領域への進展に寄与している遺伝子異常を探索することである。 初年度は、まずPVRLの初発時硝子体検体を用いて中枢神経進展に寄与する遺伝子異常の探索を行った。36例のPVRL患者の初発時硝子体検体からDNAを抽出し、2例で全エクソンシーケンス、34例でカスタム遺伝子パネルを用いたアンプリコンシーケンスを実施した。カスタム遺伝子パネルは、全エクソンシーケンスの結果および全身性DLBCLや中枢神経系原発悪性リンパ腫の発症や進展に寄与していると報告されている107遺伝子を抽出し作成した。その結果や全身性DLBCLや中枢神経系原発悪性リンパ腫の発症や進展に寄与していると報告されている遺伝子異常を抽出し、107遺伝子をカバーするカスタム遺伝子パネルを作成した。遺伝子変異解析およびコピー数解析を行い、中枢神経進展に寄与する遺伝子異常としてETV6の欠失およびPRDM1の異常(変異および欠失)を同定した。さらに、これら2つの遺伝子異常を用いたPVRLの中枢神経領域への進展リスクモデルの構築に成功した。 現在PVRLの中枢神経進展時の脳検体を用いた付加的遺伝子異常の同定を試みている。PVRLで発症しその後中枢神経領域への進展時に脳生検を実施しFFPEとして保存されている検体からDNAを抽出し、同様のカスタム遺伝子パネルを用いてアンプリコンシーケンスを実施中である。その後初発時の硝子体検体での遺伝子異常プロファイリングと比較し、中枢神経領域への進展に関与する付加的遺伝子異常を探索する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
36例のPVRL患者の初発時硝子体検体からDNAを抽出し、網羅的遺伝子解析を実施した。遺伝子変異解析およびコピー数解析を行い、中枢神経進展に寄与する遺伝子異常としてETV6の欠失およびPRDM1の異常(変異および欠失)を同定した。さらに、これら2つの遺伝子異常を用いたPVRLの中枢神経領域への進展リスクモデルの構築に成功した。現在論文投稿中である。 研究は順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、PVRLの中枢神経進展時の脳検体を用いた付加的遺伝子異常の同定を試みている。PVRLで発症しその後中枢神経領域への進展時に脳生検を実施しFFPEとして保存されている検体からDNAを抽出し、同様のカスタム遺伝子パネルを用いてアンプリコンシーケンスを実施中である。その後初発時の硝子体検体での遺伝子異常プロファイリングと比較し、中枢神経領域への進展に関与する付加的遺伝子異常を探索する予定である。 また、脳脊髄液のcell-free DNAも用いた微小病変を検出する実験系の構築を進めている。
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