Project/Area Number |
23K15318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 謙 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (10907702)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 骨髄線維症 / 翻訳機構 / 治療標的 |
Outline of Research at the Start |
骨髄線維症は骨髄組織の線維化による進行性の造血不全および脾腫と白血病への進展を伴う予後不良の疾患である。今後骨髄線維症の病態解明とともに、患者の予後とQOLを改善する新たな治療戦略の開発が必要である。これまでの研究で骨髄線維症の新規治療標的となりうるcalcium/calmodulin dependent protein kinase II gamma(CAMK2G)を同定した(Blood Adv. (2022))。その後の研究で、骨髄線維症においてCAMK2Gが翻訳機構に関与している知見を得たことから翻訳という観点から骨髄線維症の病態、治療を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨髄線維症は骨髄組織の線維化による進行性の造血不全および脾腫と白血病への進展を伴う予後不良の疾患である。現在経口JAK2阻害剤が臨床において使用されているが、骨髄線維症を根治することはできず、貧血などの血球減少が問題となり投与できない場合も多い。今後骨髄線維症の病態解明とともに、患者の予後とQOLを改善する新たな治療戦略の開発が必要である。これまでの研究で骨髄線維症の新規治療標的となりうるcalciumcalmodulin dependent protein kinase II gamma(CAMK2G)を同定した。その後の研究で、骨髄線維症においてCAMK2Gはeukaryotic translation initiation factor4B(eIF4B)という翻訳に関与するタンパク質と直接相互作用すること、eIF4Bのノックダウンにより骨髄線維症が改善することを示した。eIF4Bは翻訳開始因子複合体の一部でeIF4Aの活性化に関与しているといわれている。そこで申請者は骨髄線維症の病態には翻訳の異常が関与し、翻訳開始因子が治療標的になりうるという仮説をたてた。本研究では骨髄線維症における翻訳異常の解明と、治療標的としての可能性の検証を目的とする。今回の研究ではeIF4Aという翻訳因子に着目し骨髄線維症における翻訳異常の解明及び治療標的の探索を行った。JAK2V617F変異を持つセルラインHELを用いて、阻害薬により細胞増殖が阻害されることが分かった。また、eIF4Aには3つのサブタイプが知られており、それらをそれぞれノックダウンし、MPLW515LやJAK2V617F変異を持つセルラインにおいて細胞増殖に重要なサブタイプを同定を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄線維症における翻訳異常の解明と、治療標的としての可能性の検証を目的とする。今回の研究ではeIF4Aという翻訳因子に着目し実験を行った。JAK2V617F変異を持つセルラインHELを用いて、阻害薬により細胞増殖が阻害されることが分かった。また、eIF4Aには3つのサブタイプが知られており、それらをそれぞれノックダウンし、MPLW515LやJAK2V617F変異を持つセルラインにおいて細胞増殖に重要なサブタイプを同定を試みた。また、ノックアウトマウスの作成を行っており、作成後in vivoでの検証を行う予定である。具体的には、MPL変異やJAK2変異により引き起こされる骨髄線維症におけるコロニー形成能の比較や、骨髄移植モデルにおけるMPL変異やJAK2変異により引き起こされる骨髄線維症に対する影響を検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在MPL変異やJAK2変異により引き起こされる骨髄線維症モデル細胞を用いて研究をしているが、CALR変異により引き起こされる骨髄線維症モデル細胞を用いた実験を予定している。また、骨髄線維症における翻訳機構の解明を行うため、今後ノックアウトマウスを用いた検証を予定している。eIF4Aノックアウトマウスを用いて、in vivoでの検証を行う予定である。具体的には、MPL変異やJAK2変異により引き起こされる骨髄線維症におけるコロニー形成能の比較や、骨髄移植モデルにおけるMPL変異やJAK2変異により引き起こされる骨髄線維症に対する影響を検証する。
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