Project/Area Number |
23K15364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川筋 仁史 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40957916)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | COVID-19 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / 中和活性 / 重症化 / 動物モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、COVID-19感染動物モデルを用いて中和活性やTfh細胞と重症度との関連性を検証し、感染株やワクチン接種の有無で異なる重症病態の違いを明らかにすることである。COVID-19患者の臨床病態解析で見出された中和活性、末梢血Tfh細胞割合と重症度との関連性や、Tfh細胞動態の変異株間での差異を、局所肺感染に留まるシュードタイプウイルス感染動物モデルや全身感染を引き起こす生ウイルス感染動物モデルを用いて裏付けを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
感染やワクチン接種によって獲得される中和抗体は、COVID-19重症化予防において重要であるが、中和抗体の産生誘導や維持には、濾胞性ヘルパーT(follicular helper T: Tfh)細胞が重要な働きを担うことが知られている。COVID-19重症患者の剖検組織を用いた報告(Cell 2020)では、発症早期のリンパ節や脾臓において、胚中心の形成や胚中心に局在するTfh細胞の減少がみられたと報告されている。申請者らが継続しているCOVID-19患者の臨床病態解析においても、武漢株によるパンデミック初期では、発症早期の中和抗体誘導が重症患者で遅延していることを確認した(Kawasuji et al. Sci Rep. 2021)。 一方で、オミクロン株(BA.1系統)流行期に発症5日以内に入院したCOVID-19患者を対象に、ワクチン2回接種後に感染したワクチン接種者群とワクチン未接種者群に分け、中和活性と末梢血Tfh細胞を評価したところ、パンデミック初期の結果とは異なり、いずれも重症患者で有意に高い結果が見出され、迅速な液性免疫応答と重症病態とに関連性が認められた(Kawasuji et al. Front Immunol. 2024)。 これらCOVID-19患者の臨床病態解析で見出された中和活性、末梢血Tfh細胞割合と重症度との関連性や、Tfh細胞動態の変異株間での差異を、局所肺感染に留まるシュードタイプウイルス感染動物モデルや全身感染を引き起こす生ウイルス感染動物モデルを用いて裏付けを進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19患者の臨床病態解析結果については、着実な成果公開を進めているが(Kawasuji et al, Front Immunol. 2024)、COVID-19感染動物モデルを用いた検証に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実臨床においては、リツキシマブやオビヌツズマブなどの抗CD20モノクローナル抗体の治療を受けた濾胞性リンパ腫患者で、複数回COVID-19の再燃を来たし、長期の抗ウイルス薬治療が必要であった症例などを経験している。これらの症例についても、中和活性および末梢血Tfh細胞を評価することで、体内からの完全なウイルスのクリアランスやLong COVIDに関わる病態解明の糸口を見出し、マウスモデルに落とし込むことで更なる検証と解析を進める。しかしながら、マウスモデルの作製ならびにそれらを用いた検証には、研究に費やす十分な時間確保が必要であるが、臨床、教育と並行して進めるには時間が限られており、本研究を進めるための時間確保が課題である。
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