Project/Area Number |
23K15387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平池 勇雄 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (30813935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / 転写因子複合体 / 2型糖尿病 / 肥満 / 質量分析 |
Outline of Research at the Start |
全世界に蔓延する肥満や2型糖尿病に対して「エネルギー摂取の抑制」ではなく「エネルギー消費の促進」に基づく新たな治療法を開発することを目指し、申請者はエネルギーの消費作用を有する褐色脂肪細胞の分化や機能を制御する鍵因子NFIAを同定しその作用メカニズムを解析してきた。NFIAは酸化的リン酸化に関与する遺伝子群を正に制御する一方で炎症を促進する遺伝子群は負に制御し、その双方を介して抗肥満作用と抗糖尿病作用を発揮する。本研究ではNFIAが標的遺伝子を正に制御する場合と負に制御する場合を規定する「文脈特異的」な転写制御機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはミトコンドリアにおけるUcp1の作用を介して熱を産生することから「エネルギー消費の促進」を介した肥満や糖尿病の治療標的として期待される褐色脂肪細胞に注目し、その分化を制御する鍵因子nuclear factor I-A (NFIA)を同定し作用メカニズムを解析してきた(Hiraike Y., et al Nature Cell Biology 2017, PLoS Genetics 2020, iScience 2022)。脂肪細胞特異的NFIAトランスジェニックマウスは高脂肪食負荷条件において野生型と比較して全身のエネルギー消費が亢進しており、肥満が抑制され耐糖能も保たれていた。NFIAトランスジェニックマウス由来の白色脂肪細胞では予想通り褐色脂肪細胞特異的遺伝子群およびミトコンドリアにおける酸化的リン酸化に関与する遺伝子群が正に制御されていた一方、炎症を促進する遺伝子群は予想外に負に制御されていた。NFIAは脂肪細胞から分泌され全身の炎症を促進し肥満や糖尿病を増悪させる因子として良く知られるMCP-1の発現を抑制し、結果として脂肪組織の慢性炎症を改善させた。すなわちNFIAはミトコンドリアの活性化ならびにエネルギー消費の亢進作用と抗炎症作用の双方を介して肥満や糖尿病に保護的に作用する(Hiraike Y., et al. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2023)。NFIAが標的遺伝子を正に制御する場合と負に制御する場合を規定する「文脈特異的」な転写制御機構を理解するための解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一の主要部分である脂肪細胞特異的NFIAトランスジェニックマウスの解析を完成させ、論文として発表した(Hiraike Y., et al. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2023)。第二の主要部分であるNFIAの「文脈特異的」な転写制御機構の理解に関しても、NFIA蛋白複合体の構成因子でありNFIAと協調して作用する転写因子を複数同定し、解析を進めている。また、ヒト褐色脂肪細胞の活性と肥満や2型糖尿病の関連についても大規模バイオバンクのデータを用いた解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
NFIA蛋白複合体の機能解析と大規模バイオバンクのデータを用いた国際共同研究を同時進行で進めていく計画である。
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