1型糖尿病における膵β細胞破壊の新規バイオマーカーと保護因子の解明
Project/Area Number |
23K15402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
庭野 史丸 近畿大学, 医学部, 講師 (70716349)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | タウリン / アミノ酸 / インスリン / 1型糖尿病 / 膵β細胞 / アミノ酸分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、1型糖尿病における代謝物を網羅的かつ経時的に解析し、膵β細胞破壊の新規バイオマーカーと膵β細胞保護因子に関する基盤情報を構築することを目的とする。1型糖尿病の発症過程にタウリンを含む代謝物が関与する可能性に着目し、1型糖尿病患者を対象にメタボローム解析を行い、膵β細胞破壊の新規バイオマーカーと膵β細胞保護因子を探索する。本研究の成果を元に膵β細胞破壊の早期診断、並びに保護因子を活用した進展阻止法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1型糖尿病の各ステージ(新規発症急性期、慢性期インスリン分泌微少残存期、慢性期インスリン分泌完全枯渇期)、2型糖尿病、膵全摘後糖尿病における血漿検体を集積し、メタボローム解析とアミノ酸分析をおこなった。 その結果、血漿タウリン値について緩徐進行における慢性期インスリン分泌微小残存期と慢性期インスリ分泌枯渇期の間では差を認めず(76.6 ± 6.0 vs. 66.1 ± 4.9 nmol/mL, NS)、急性発症における急性期、慢性期インスリン分泌微小残存期、慢性期インスリン分泌枯渇期の間では差を認めず(70.5 ± 3.6 vs. 72.1 ± 4.5 vs. 76.4 ± 8.3 nmol/mL, NS)、劇症における急性期、慢性期インスリン分泌枯渇期の間では差を認めなかった(79.1 ± 6.7 vs. 76.0 ± 6.9 nmol/mL, NS)。また、陰性対象として2型糖尿病ならびに膵全摘後糖尿病と1型糖尿病との間で血漿タウリン値について比較したが、いずれも差を認めなかった(2型糖尿病: 83.5 ± 5.3 vs. 73.4 ± 2.4, NS, 膵全摘後糖尿病: 77.8 ± 4.1 vs. 73.4± 2.4, NS)。また、1型糖尿病における血漿アミノ酸値とCPR(インスリン分泌能)との関連解析をおこなうと、α-アミノ酪酸、シスチン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジンとは有意な負の相関を認めた(α-アミノ酪酸:R = -0.28, P < 0.05, シスチン: R= -0.28, P < 0.05, ロイシン: R= -0.26, P < 0.05, チロシン: R = -0.29, P < 0.01, フェニルアラニン: R = -0.32, P < 0.01, ヒスチジン: R= -0.28, P <0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度については、膵β細胞破壊の新規バイオマーカーと保護因子同定のためメタボローム解析とアミノ酸分析をおこなった。具体的には、1型糖尿病の各ステージ(新規発症急性期、慢性期インスリン分泌微少残存期、慢性期インスリン分泌完全枯渇期)、2型糖尿病、膵全摘後糖尿病における血漿検体を集積しつつ、メタボローム解析とアミノ酸分析についておこなった。結果は、血漿タウリン値について1型糖尿病の病型別各ステージ間、ならびに陰性対象として2型糖尿病、膵全摘後糖尿病との間に差を認めなかったが、1型糖尿病においてCPR(インスリン分泌能)と血漿α-アミノ酪酸、シスチン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン値とは有意な負の相関を認めた。インスリン分泌能と関連を認めるアミノ酸を複数同定しており、課題の進捗状況としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に1型糖尿病における残存インスリン分泌能を規定する遺伝因子の同定およびCSAD遺伝子型別残存インスリン分泌能の解析をおこなう。具体的には、各種因子とCPRとの相関解析(単回帰分析、重回帰分析)をおこなう。また各種遺伝因子別にCPRの多重比較検定(Steel-Dwass test)をおこない、CSAD遺伝子については遺伝子型別にCPRの多重比較検定(Steel-Dwass test)をおこなう。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)