Project/Area Number |
23K15447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山根 佳 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00886955)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 自家膵島移植 / 慢性膵炎 / 膵島分離 / コラゲナーゼ / 膵全摘 |
Outline of Research at the Start |
慢性膵炎に対する膵全摘後自家膵島移植の成績向上には、高度の線維化を伴う膵臓に適した膵島分離酵素や酵素の使用法の確立が重要である。近年開発されたGrimontia hollisae 由来の新規膵島分離用酵素は、従来の酵素で分解が困難であったⅥ型コラーゲンの消化能に優れており、慢性膵炎膵に対する膵島分離効率を改善しうる可能性がある。本研究はG. hollisae 由来酵素が慢性膵炎膵から多くのViabilityの高い膵島を分離することが可能か検証し、慢性膵炎に対する膵全摘後自家膵島移植の治療成績向上に応用されることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 慢性膵炎モデルマウスの作成 8週齢のC57BL/6マウスに対しセルレイン (Sigma-aldrich C 9206, 50μg/㎏・body) を1日に6回(1時間ごとに1回)、3日間/週を4週間腹腔内投与した。視診上、マウス膵臓は正常膵に比べ著明に萎縮し、Masson-Trichrome染色にて膠原線維の増加を確認した。慢性膵炎膵の膵重量は正常膵に比べ、著明に減少していた。コラーゲンタンパク/全タンパク質比は慢性膵炎膵で著明に増加しており、上記セルレインの投与法により、慢性膵炎モデルマウスの作成が可能であることを確認した。 2. 慢性膵炎膵の膵島分離 慢性膵炎膵に対し膵島分離を行った。従来の消化酵素であるコラゲナーゼPとGrimontia hollisae由来の新規膵島分離用酵素で膵島分離成績を比較した。膵膨化後の重量は両群間で有意差なく、手技的な問題がないことを確認した。消化後の残組織重量は新規酵素で有意に少なく、膵重量あたりの分離膵島量(IEQ)は新規酵素で有意に多いという結果を得た。コラーゲン量の多い慢性膵炎膵に対する分離効率が、新規酵素において優れている可能性がある。 3.分離膵島のviabilityとインスリン分泌能 分離後膵島細胞のCalcein-AM染色、PI染色により、コラゲナーゼPと新規酵素間で生存細胞率に差を認めなかった。グルコースを用いたインスリン分泌能測定では、両群間で有意差を認めず、新規酵素による膵島分離後も膵島細胞の機能が維持されていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、セルレイン誘導による慢性膵炎モデルマウスの作成を、組織学的に実証することができた。新規酵素を用いた膵島分離も安定して実施できており、さらにin vitroで膵島機能も良好であることを示している。今年度の研究の進捗により、次年度の移植実験を安定して推進できる見通しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは新規酵素によって分離された慢性膵炎膵の膵島細胞のin vivoにおける機能評価を行う。また、より臨床に近い形で実証するために、腎被膜下移植モデルのみでなく、経門脈移植での検証が必要と思われる。さらにレシピエントマウスとして慢性膵炎モデルマウスを用いることで、より慢性膵炎に伴う自家膵島移植のモデルに近づけた移植実験を行い、移植後早期の免疫反応の変化や、膵島機能の評価に関して詳細な解析を行う予定である。
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