Project/Area Number |
23K15511
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柴田 賢吾 北海道大学, 大学病院, 医員 (90962853)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 虚血再灌流障害 / 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / 虚血再灌流傷害 |
Outline of Research at the Start |
この研究では、イメージング質量分析装置を用いて炎症性腸疾患および虚血性腸疾患の腸粘膜における脂質代謝の変化を解析し、新規治療標的の特定することである。研究期間は3年間で、必要な装置や資材を助成金を使用して購入し、脂質変化に関与している分子の解析や治療薬の開発を行い、治療効果が期待できる分子に関する遺伝子解析も行い、治療効果をin vivoで確認する。本研究により、疾患の新規治療標的の特定や治療薬の開発につながる成果を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イメージング質量分析装置を用いて炎症性腸疾患および虚血性腸疾患の腸粘膜における脂質代謝の変化を解析し、新規治療標的を特定することを目的とした。腸疾患に関しては下記のようにまだ構想の段階である。今回の研究実績としては、今年に脂肪肝モデルを用いた虚血再灌流障害の解析を行い、リゾリン脂質の変動を確認したことが挙げられる。この知見を基に、腸疾患における脂質代謝の変化を詳細に解析し、新たな治療標的の特定と治療薬の開発を行うことができると考える。研究の初年度には、既存の文献を調査し、炎症性腸疾患と虚血性腸疾患の病態生理を詳しく調べた。その後、モデルマウスを用いた実験を実施し、腸内細菌叢の解析や脂質プロファイリングを行い、疾患における脂質変化を明らかにする予定である。質量分析を用いて重要な脂質分子の候補を洗い出し、これらの分子の機能をin vitroおよびin vivoで検証する。 具体的には、炎症性腸疾患モデルマウスと虚血性腸疾患モデルマウスの腸粘膜をイメージング質量分析で解析し、脂質代謝の変化を詳細に調査する。これにより、病態進行に関与する脂質分子を特定し、それらが新たな治療標的となり得るかを評価する。また、化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行い、候補分子に対する治療薬の開発につながるようにする。 さらに、今回の脂肪肝研究で得られた知見を基に、リゾリン脂質を含む重要な脂質分子の変動が腸疾患においても同様の役割を果たすかを検証することができる。これにより、腸疾患に特有の脂質代謝パターンを明らかにし、これらが疾患の進行や治療効果にどのように関与するかを解明していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、炎症性腸疾患および虚血性腸疾患の患者から採取した腸粘膜サンプルを用いて、イメージング質量分析(Imaging Mass Spectrometry)を行う予定であったが、炎症性腸疾患および虚血性腸疾患の患者数が少なかったため中々検体が集まらなかった。そのため、研究が滞ってしまった。また、イメージング質量分析装置の使用手配に時間を要した。いくつかの段階で予期せぬ問題が発生し、計画よりも時間を要した。研究を開始したが、特殊な装置や高度な技術が必要な場合には、慣れるまでに多くの時間を要した。また、コロナやインフルエンザの流行によって手配に時間がかかるだけでなく、実験を行うために必要な条件を整えるのに余分な時間がかかることもあった。実験の進行中にも、予期せぬ問題が発生した。例えば、試料の収集や処理において、安定しないこともあった。さらに、データの解析においても、予期せぬ問題が発生した。例えば、データの処理に必要なソフトウェアが動作が重く解析に時間を要したことがあった。以上のように、この実験において、予期せぬ問題が発生したことにより、計画よりも時間を要することがあった。現在装置の条件検討を行なっており、まだ期待している結果が出ていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の目標を一つずつ達成させる。 1サンプルの収集と準備:炎症性腸疾患および虚血性腸疾患の患者から腸粘膜サンプルを採取する。健常な腸粘膜サンプルも同様に収集する。2イメージング質量分析の実施:収集したサンプルを用いて、イメージング質量分析を行い、脂質の種類や量、分布状況を明らかにする。3データ解析:イメージング質量分析によって得られたデータを解析し、疾患と健常の違いを比較する。脂質代謝経路の解析を行い、炎症性腸疾患および虚血性腸疾患の発症に関わる分子を特定する。 上記を前期で達成さえて解析結果の利用を行う。解析結果をもとに、炎症性腸疾患および虚血性腸疾患に効果的な治療法を模索する。また、脂質代謝に関する分子解析を行い、治療効果が期待できる分子を特定する。その後、治療効果が期待できる分子を標的とした新規治療薬のスクリーニングを行う。 スクリーニングで特定された化合物の中から、in vitroもしくはin vivoでその有効性を確認する。 化合物ライブラリーや細胞株などの資材,イメージング質量分析装置や細胞培養用のバイオセーフティキャビネットなどの装置を改めて使用し、これらの実験を通じて、炎症性腸疾患や虚血性腸疾患の病態解明や新規治療法の開発に貢献することを期待している。
|