Project/Area Number |
23K15526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
武居 晋 佐賀大学, 医学部, 助教 (30883425)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 膵癌 / 転移 / 転移臓器指向性 / 膵癌関連線維芽細胞 / 転移指向性 / 肝転移 / 肺転移 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではマウス由来の膵癌細胞を静脈内または脾臓内に投与することで人為的に肺転移・肝転移を形成させるマウスモデルを用いることで転移形成初期のダイナミックな変化を詳細に観察する。また、転移形成の成否に関わる因子を検索するにあたり、転移形成することができる癌細胞とそうでない癌細胞を経時的に観察、比較することで転移形成に必要な転移微小環境の変化を見出す。また、膵癌術後初発肝転移と初発肺転移の予後の差異を生じる要因について分子生物学的な検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
微小転移巣には腫瘍細胞のみならず多くの免疫細胞や癌関連線維芽細胞を主体とする間質細胞が観察される。今年度は腫瘍細胞をマウスに脾注することで微小肝転移モデルを作成し、実験的な微小肝転移巣の観察を行った。腫瘍細胞にGFPを導入することで、切除肝の免疫染色で微小肝転移巣であっても単細胞レベルでの微小肝転移巣の同定が可能であった。同定した微小転移巣の各種免疫染色を行うと、脾注後1-2日目の早期に好中球をはじめとした免疫細胞が転移巣に誘導されることが観察され、その後にα-SMA陽性の線維芽細胞が誘導される現象が観察された。 一方、同腫瘍細胞を静注する肺転移モデルでの検討を行った。投与直後の観察では肺に多数のGFP陽性の細胞が観察されたが、転移巣に進展する病巣はわずかであった、その過程を各段階で顕微鏡的検索を行うと、α-SMA陽性の線維芽細胞の誘導が肝転移巣と比較すると有意に少なかった。 このことから肝転移巣、肺転移巣の転移形成機序が異なり、その差異には線維芽細胞の誘導が関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究ではGFPを導入した腫瘍細胞を用いたマウスでの微小転移モデルを用いることで肝転移、肺転移の転移微小環境の観察が極初期の段階から可能であった。各段階での微小転移巣を観察することで免疫細胞や線維芽細胞が誘導される様子が観察できた。 また、膵癌術後再発例では初発再発臓器の違いによりその後の予後が異なることが自験例も含めて報告されている。本研究では肝転移、肺転移の極初期の段階において線維芽細胞の誘導のされ方が異なることが観察され、線維芽細胞の誘導が転移形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。この仮説をもとに今後の研究を進めていく予定であり、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに転移巣の免疫細胞にも着目し、線維芽細胞の誘導と免疫細胞のクロストークの可能性も含めて研究を進める。具体的には線維芽細胞の誘導に促進的に働く免疫学的機序を検討する。また、その機序を明らかにすることで転移抑制に有効な治療手段の開発を目指す。
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