Project/Area Number |
23K15648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平松 匡文 岡山大学, 大学病院, 助教 (50771953)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | カテーテル / diamond-like carbon / コーティング / 脳血管内治療 / 親水性コーティング |
Outline of Research at the Start |
脳血管内治療用カテーテルに施された親水性コーティングは剥離して脳塞栓性合併症が生じ得る。Diamond-like carbon (DLC)コーティングは、親水性と平滑性が高く、耐剥離性・抗菌性にも優れており、カテーテルにDLCコーティングを施せば、剥離を予防できると考えられる。本研究の目的は、DLCコーティングカテーテルが、従来のカテーテルと比較して、性能を落とさず、脳塞栓性合併症を減少させられるかを評価することである。DLCコーティングカテーテルの親水性・平滑性・血液適合性を評価し、in vitro・in vivoでの耐剥離性能や塞栓性合併症の頻度を比較検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、脳血管カテーテルの中間カテーテル、マイクロカテーテルへのDLCコーティングを施行した。カテーテル内腔面には親水性コーティングされていないため、DLCコーティングの成膜も内腔面には施さず、カテーテル外表面のみに施行することとした。具体的には、シリコンチューブ内にカテーテルを挿入し、カテーテル内腔にプラズマが走らないようにカテーテル両端を閉鎖した後、交流高電圧バーストプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法にてシリコンチューブ内にプラズマを生成し、カテーテル外表面のみにDLCコーティングを施した。プラズマ放電により、カテーテル内に含まれる金属でカテーテルの発火・燃焼が起こる問題がありDLCコーティングカテーテルの作成に難渋したが、成膜時間の調整やカテーテル内腔面にプラズマが放電しないよう、カテーテル両端を閉鎖したりなど対策することで解決した。ラマン分光法によって得られた成膜前後のラマンスペクトルからはカテーテルへのDLC膜の形成が確認できた。カテーテルに施したDLCコーティングは最長で110cmと長いが、カテーテル先端から20cmおきの評価では全部位で同一のラマンスペクトルが得られており、コーティングを施行した全長で同一なDLC膜の成膜が確認できた。親水性の評価のためにカテーテルと同一素材であるナイロン6シートを準備し、同様にDLCコーティングをおこなった。水接触角試験にてコーティング前後のナイロン6シート表面の親水性を比較すると、DLCコーティングをおこなうことで水接触角が低下しており、表面の親水性の向上が得られていた。走査電子顕微鏡の観察ではDLCコーティングを施したカテーテル表面は、親水性コーティングが施されたカテーテル表面と比較して表面の平滑性が同等であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、DLCコーティングで成膜されたカテーテルの作成ができており、今後は作成したカテーテルを用いて、耐剥離性能、血液適合性などの各種評価が必要であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、DLCコーティングを施したカテーテルの耐剥離性能、血液適合性などをin vitro、in vivoで評価をおこなう。In vitroでは脳血管3Dモデル回路を使用し、In vivoではウサギを用いた動物実験としておこなう。In vitroでは中間カテーテル内のマイクロカテーテルを脳血管3Dモデル内で規定回数操作をおこない、その剥離したコーティング量を比較し、マイクロカテーテル表面を走査電子顕微鏡にて観察する。これを従来の親水性コーティングカテーテルとDLCコーティングを施したカテーテルで比較検討する。In vivoでは全身麻酔下にうさぎの脳血管内で中間カテーテル内のマイクロカテーテルを操作しその操作性を点数化する。また、規程の長さ・回数で抜き差しを繰り返し、手技後に安楽死させ、その脳組織切片を染色して観察し、塞栓症の有無と程度を定量評価する。血液適合性評価では、ウサギの血管内に留置させたマイクロカテーテルへの血栓の付着などを顕微鏡像や染色等で評価する。いずれも従来の親水性コーティングカテーテルとDLCコーティングを施したカテーテルで比較検討する。
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