Project/Area Number |
23K15652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
木次 将史 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (70834084)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | NIRS-IVUS / LCBI / lipid core plaque / statin / NIRS / IVUS / carotid artery |
Outline of Research at the Start |
脂質に富んだプラークを有する頚動脈狭窄症病変は周術期に塞栓合併症を生じるリスクが高い。脂質の分布を正確に診断するNIRS(Near infrared spectroscopy)に注目し、NIRSを搭載した血管内超音波検査 (NIRS-IVUS)を用いてプラーク内脂質分布診断の重要性を示してきたが、薬物治療による頚動脈プラーク安定化を脂質分布の変化として捉えることが可能かは不明である。本研究において動脈硬化ウサギを用いて、頚動脈に対するスタチンのプラーク安定化作用を病理学的な整合性を伴ってNIRSによるプラーク分布の変化として捉えることが出来るかを証明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脂質に富んだプラークを有する頚動脈狭窄症病変に対するスタチンが及ぼすプラーク安定化作用を脂質の分布を正確に診断するNIRS搭載血管内超音波を用いてLipid Core Burden Index (LCBI)の変化を捉えることで治療効果を証明することとし、研究を計画した。過去の論文から血管内超音波が挿入できる、最も小型な動物がウサギという事で計画を企て、ウサギの頚動脈に血管内超音波を安全に挿入できる手技の習得に努めている段階である。 昨年度はウサギに対して安全に麻酔導入を行う事、また環境整備に時間を要した。また血管内超音波を挿入するには頚動脈が細径である為現時点では血管内超音波での評価が行えていない現状である。計画としては血管内超音波で評価を行った後も血管を縫合、そしてウサギの生存が必須の研究であるためにデータ集積の段階にはまだ至っていない。ウサギを安全、確実に生存する為の手法を模索している(現時点でウサギの死亡は無し)。 しかし手技が確立すれば使用すべき機材・方向性は出来上がっている。データの結果も概ね予想通りに進むと考えている。スタチンが及ぼすプラークの質的評価を行う本研究は研究結果が出そろえば独自性や創造性の高い研究となる。LCBIや血清脂質パラメーターとの関連性をNIRSで検討することは臨床応用を見据えた基礎研究としての本研究の意義は大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ラット、マウスでの麻酔管理の実績はあったが、ウサギでの実績が無かった。その為にウサギの取り扱い、麻酔方法に関してノウハウがなく、ウサギの麻酔管理に関して安全な手技が遂行できるた為の状況を作り上げるのに時間を要した。また頚動脈が過去の報告論文より細径でありNIRS-IVUSを確実に挿入できる状況となっていない。IVUSが安定して挿入できる事が確認できればその後の研究は予定通り進んでいくと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈硬化ウサギを用いて、頚動脈プラークに対するスタチンの治療効果としてスタチンを投与群と非投与群に分けてNIRS-IVUSによる脂質分布を表す LCBIの変化・値を測定する。またLCBI の変化と病理標本における免疫組織学 的評価(不安定マーカーとして先行研 究からPTX3を追加)の整合性を明らか にし、更には血漿脂質値との相関を明らかにする。血管内超音波が挿入できていない点が現時点での研究の遅れに繋がっている為、血管内超音波が挿入できる血管径となる個体のサイズを検討、または血管径を拡張させるための遠位部で血管をクランプするなどの追加処置の検討が必要である。この点が現在研究を遂行する上での課題となっている。 具体的な実験方法は耳介動脈より採血を行い、血漿脂質値を測定する。1週間の普通食を与えた後、図3 の4群に分類する。高脂質食群は1% コレステロール含有食8週間摂取し、その後は普通食に戻す。 Pravastatin投与(10mg/kg)群には9週後から投与を開始する。治療効果の判定時期を Pravastatin投与後8週間群と16週間群に分類し、NIRSによる検討を行う。麻酔導入し頚部正中切開にて頸動脈を露出させ、総頚動脈に4Fr sheathを挿入する。シースから直接ガイドワイヤーをICAに挿入しNIRS-IVUS を施行する。TVC Imaging Systemに接続し自動プルバックにてmax-LCBIの計測を行う。 シースを抜去後は血管縫合処置を10-0 ナイロンで行う。観察期間終了後、頚動脈標本を摘出し10 %ホルムアルデヒドで固定し病理標本を作成し病理学的評価を行う。標本は最狭窄部を基準に前後5mm間隔でプレパラートを作製する。 計測はNanoZoomer (version 2.7.43)を用いて測定する。
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