Project/Area Number |
23K15682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小川 貴久 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60971132)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 画像認識 |
Outline of Research at the Start |
地域の中核病院・ 開業医からの患者情報として地域中核病院コホート(佐久医 療センター・伊奈病院)及び地域開業医コホート(かものみや整形外科)より収集する。かも のみや整形外科では非常に高い研究能力を有する順天堂大学医学部整形外科学講座の末原義 之客員教授の研究支援を受ける。研究の進捗状況は月に一度のリサーチミーティングを行う ミーティングでお互いに情報を共有し、6月ごとに目標の達成度について評価し改善する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究背景と目的:私たちの研究チームは、スマートフォンのカメラを使用して姿勢を推定し、高齢者の骨粗鬆症を予測する新しい方法を開発しています。従来の骨粗鬆症診断には、X線やCTスキャンなどの高価な機器が必要でしたが、これらはアクセスが難しい場合が多く、特に高齢者にとって負担が大きいです。そこで、スマートフォンのカメラを活用することで、より手軽で低コストな診断方法を提供することを目指しています。 現在の進捗状況:現在、研究チームはサンプルデータの撮影を進めています。これに並行して、開発中の姿勢推定モデルの精度を検証中です。姿勢推定モデルは、被験者の姿勢を高精度に認識し、骨密度との関連性を解析するための重要な役割を果たします。学会発表:2024年5月26日、日本整形外科学会にて、パイロットスタディーの結果を発表しました。本発表では、スマートフォンのカメラによる姿勢推定の実用性と、そのデータを用いた高齢者の骨粗鬆症予測の可能性について報告しました。 発表内容の概要:姿勢推定モデルの開発とその技術的詳細。スマートフォンのカメラから取得した画像データを基に、姿勢を推定するモデルの構築プロセスとアルゴリズムについて説明しました。特に、モデルの精度向上のために実施したデータ前処理や学習手法の最適化について詳述しました。 パイロットスタディーの結果:50名の参加者を対象に実施したパイロットスタディーの結果を報告しました。スマートフォンのカメラで撮影した姿勢データを基に、骨密度の低下傾向を高精度に予測できることを示しました。これにより、従来の診断方法に代わる新しいアプローチの有用性が確認されました。 今後の展望と課題:本研究の次のステップとして、サンプルサイズの拡大と長期間にわたるデータ収集を計画しています。さらに、モデルの汎用性を高めるため、多様な被験者データを取り入れた追加の検証が必要です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、英文論文の執筆に向けて準備を進めています。本研究の成果を国際的な医学雑誌に発表することで、より広範な評価とフィードバックを得ることを目指しています。 研究の背景:論文の序章では、骨粗鬆症の診断に関する現状とその課題を詳述します。特に、高齢者における骨粗鬆症の早期発見の重要性と、従来の診断方法が持つ制約について説明します。また、スマートフォンの普及と技術進化により、新たな診断手段としての可能性が広がっている点についても触れ、私たちの研究がその流れにどのように貢献できるかを示します。 研究方法:研究方法の章では、姿勢推定モデルの開発プロセスを詳細に説明します。具体的には、使用したデータセットの収集方法、前処理手法、モデルの構築と学習プロセスについて詳述します。さらに、モデルの精度を評価するために使用した評価指標や検証手法についても説明し、再現性の確保に努めます。 結果:結果の章では、パイロットスタディーから得られたデータを詳細に報告します。スマートフォンのカメラによる姿勢推定がどの程度正確に行えたか、そのデータがどのように骨密度の予測に役立ったかを具体的な数値やグラフを用いて説明します。また、予測モデルの性能評価結果も詳細に示し、従来の方法と比較してどのような利点があるかを明確にします。 考察:考察の章では、得られた結果を基に研究の意義を深掘りします。姿勢推定モデルの精度や限界について議論し、今後の改良点や追加の研究が必要な点についても触れます。さらに、本研究の成果が臨床現場でどのように活用されるか、スマートフォンを利用した診断手法がもたらす社会的なインパクトについても考察します。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究で得られた成果は、高齢者の骨粗鬆症診断において革新的な進展をもたらす可能性があります。しかし、日本の医療制度の現状を考慮すると、さらなる展開が必要です。 日本では、プライマリケア制度が確立されておらず、医療へのアクセスがフリーアクセスであるため、患者が直接専門医を受診することが一般的です。このような状況では、骨粗鬆症のような慢性疾患の早期発見と予防が難しくなりがちです。特に、定期的な健康診断や予防医療が欠如している場合、高齢者の骨粗鬆症診療が後回しにされるリスクが高まります。本研究が示したスマートフォンを用いた姿勢推定と骨粗鬆症予測モデルは、こうした現状を改善するための有力な手段となり得ます。具体的な今後の展望として、 地域医療との連携:地域医療機関や自治体と連携し、スマートフォンによる姿勢推定と骨粗鬆症予測のシステムを活用した健康診断プログラムを導入します。地域の保健センターや診療所で定期的なチェックを行うことで、早期発見と予防に繋げることができます。さらに、訪問診療や在宅ケアにおいても、この技術を活用することで、医療アクセスが難しい高齢者への対応を強化します。 技術の改良と高度化:現在のモデルをさらに改良し、精度や速度の向上を図ります。多様なデータセットを用いたトレーニングを通じて、モデルの汎用性を高め、より多くの状況で正確な姿勢推定と骨粗鬆症予測が可能となるようにします。また、リアルタイムでの予測を実現するための技術開発も進めます。 AMEDなどの支援活用:研究の社会実装に向けて、日本医療研究開発機構(AMED)などの公的支援を積極的に活用します。AMEDのプログラムや助成金を利用して、技術開発や普及活動を進めるとともに、実証実験を行い、実際の医療現場での効果を検証します。これにより、研究成果を迅速に社会に還元し、実際の診療に役立てることを目指します。
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