Elucidation of the mechanism of sarcopenia associated with chronic obstructive pulmonary disease
Project/Area Number |
23K15702
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
塚本 学 産業医科大学, 医学部, 講師 (70778159)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / サルコペニア / モデル動物 / 酸化ストレス / 活性酸素 / ROS / ミトコンドリア / 慢性閉塞肺疾患 / 動物モデル |
Outline of Research at the Start |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺外病変として筋肉への障害が指摘されているが、詳細な病態については不明であり、「生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019年版」には、基礎研究による機序解明が今後の課題であると記載されている。申請者らは、酸化ストレス関連のp38 MAPK経路がCOPDに伴う筋線維構造変化に関連していることを示したが、筋重量や筋萎縮シグナルの変化が遅筋でのみ生じており、速筋では認めなかった。遅筋はミトコンドリアが豊富であること、生体内で産生される酸化ストレスの多くはミトコンドリア由来であることから、ミトコンドリア機能障害がCOPDに伴う骨格筋障害の主因なのではないかと考えた。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に合併するサルコペニアの病態メカニズムは不明である。その発症要因が多岐にわたるため、臨床研究のみでは限界があり、モデル動物を用いた基礎研究による機序解明が喫緊の課題である。エラスターゼ(PPE)誘導性肺気腫マウス(COPDマウス)では、Ⅰ型筋線維からⅡ型筋線維への筋線維タイプ移行と筋萎縮を呈することを以前に報告した。COPD患者では酸化ストレス関連筋萎縮シグナルであるp38MAPKが上昇することが知られており、COPDマウスを用いてp38MAPKシグナルと筋線維構造変化の関連について調査した。 12週齢雄C57BL/6JマウスにSalineまたはPPEを気管内投与し、S群、P群とした。投与後4週から各群の半数にp38阻害剤(p38i)含有飲料水を与え、S/vehicle群、S/p38i群、P/vehicle群、P/p38i群とした。投与後12週時点でヒラメ筋を採取し、ヒラメ筋重量を測定後、免疫染色を行い筋線維割合、筋線維タイプ別の筋線維断面積を評価した。また、筋肉からタンパクを抽出し酸化ストレス関連筋萎縮シグナル活性を分析した。 P群で認めていたヒラメ筋重量減少は、p38i投与によって改善した。また、P群ではI型筋線維の占拠率と筋線維断面積の低下を認めていたが、P/p38i群ではP/vehicle群と比べて改善した。P群で活性化されたp38MAPKや筋萎縮シグナルは、P/p38i群では抑制された。また、P群のヒラメ筋において、ミトコンドリ特異的活性酸素スカベンジャーであるSOD2のタンパク発現が有意に減少し、マイトファジーに関わるParkin、Mt融合に関わるmitofusin2のタンパク発現が有意に減少していた。 COPDマウスの骨格筋で認められる筋線維構造変化は、p38阻害剤の投与によって防止できた。以上より、p38MAPKシグナルは、 COPDマウスの骨格筋障害の主たる原因の一つであることが示唆され、p38阻害剤はCOPD患者の骨格筋障害を予防できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた検証事項を確実に実施している。 COPDが生体内のミトコンドリアに及ぼす影響について現在検証結果をまとめており、ミトコンドリア特異的抗酸化剤による介入も計画中である。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究が進展しているため、当初の計画通りに研究を進めていく。研究成果については現在論文投稿に向けて準備中であり、他にも学会発表等を通して成果の報告をする予定である。 また、新型コロナウイルスは2023年5月8日から5類感染症となったが、動物研究センターが閉鎖された場合、研究が大幅に遅れる可能性があるため、引き続き、以下の対策を講じて、感染予防に努めていく。1) 体調不良者はセンターへ入館しない。2) 中止や延期が可能な研究については見送る。3) 入退館する際にはなるべく少人数とする。4) センター入退館時、動物飼育室入退室時に必ず消毒用アルコールで手指消毒を行う。5) 動物飼育室に入室する際には、マスク、帽子、手袋を着用する。6) 動物飼育室の入室は1名とし、飼育員や他の実験者がいる場合には、入室しない。7) 繁殖する動物数を必要最低限とする。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)