Project/Area Number |
23K15757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金坂 学斗 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60775039)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 前立腺癌 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、エピゲノム変化とトランスクリプトーム変化の網羅的解析に基づくAR非依存性CRPCの分子機構の解明を目的とする。そして難治性の主因であるheterogeneityを層別化する新たな標的因子の発見へと繋げる。 シストロームやクロマチン構造などのエピゲノム変化は、遺伝子発現制御機構の一つとして世界中で研究されている。前立腺癌においてもこれまでARを中心にエピゲノム異常が研究されてきたが、本研究の目的とするパイオニア転写因子に着目したCRPCの網羅的シストローム解析により、AR非結合領域における癌悪性化機構を解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌が去勢抵抗性を獲得する際のエピゲノム変化は、ARを中心としたシストローム解析によって多く研究されてきた。一方でAR非依存性獲得の際に起こるエピゲノム異常は未だ不明な点が多い。本研究は、エピゲノム変化とトランスクリプトーム変化の網羅的解析に基づくAR非依存性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の分子機構の解明を目的とし、本研究を進めた。 まず、去勢感受性前立腺癌(HSPC)細胞株とCRPC細胞株においてパイオニア転写因子XとARに対するChIP-seq法により、網羅的に結合領域を解析した。興味深いことに、CRPC細胞株では21,126領域で新規に転写因子Xが結合していた。次にこの特異的領域内においてCRPCで発現上昇し、かつARの結合を認めない遺伝子を抽出した。これらの候補遺伝子をCRISPR-Cas9システムを用いてノックアウトすると、CRPCではHSPCより細胞増殖が有意に抑制された。ここにAR非依存性獲得メカニズムの存在と新規治療標的の可能性が示唆された。 また近年では癌におけるクロマチン三次元構造の変化が着目されており、HSPC細胞株とCRPC細胞株においてHi-C、HiChIP(H3K27ac)を施行した。まずCRPCにおいて発現上昇するヒストンメチル基転移酵素に着目したところ、標的のヒストン修飾変化がCRPCで起きている領域では、抑制のヒストン修飾変化が減少していた。また先程のHi-C解析からこれらの領域のコンパートメントがinactiveからactiveへ変化することを明らかにした。更にこれらの領域に68候補遺伝子が含まれることを確認し、特にCRPCで重要とされる標的遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画の通り、パイオニア転写因子とARのChIP-seq法による網羅的エピゲノム解析を行った。CRPCにおいてAR非依存的に活性化される領域をゲノムワイドに抽出し候補遺伝子の抽出を行った。またクロマチン高次構造解析によりCRPCで変化するクロマチン構造についてもゲノムワイドに抽出を行った。その中で特定のヒストンメチル基転移酵素がCRPCで発現上昇していることを同定し、その下流となる標的遺伝子を特定し論文報告を行っており、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
パイオニア転写因子のシストローム解析からゲノムワイドに抽出した領域やそこに含まれる候補遺伝子群についてin silico解析を行う。また必要に応じてCRISPR-Cas9システムを用いた機能解析まで進め、標的遺伝子を抽出し治療標的としての可能性を探る。さらに収集中の臨床検体と公共データベースでの検証を行う。また、CRPCで新規にパイオニア転写因子が結合するゲノム領域とクロマチン高次構造変化との関連についても解析を進めていく。
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