Project/Area Number |
23K15801
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 研資 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60964939)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 薬剤の胎盤通過性 |
Outline of Research at the Start |
早産に対する有効な治療は存在しない。早産の主たる病態は腟から侵入した細菌の子宮への上行性感染による炎症の波及であり、早産の病態形成においてアラキドン酸カスケードは本質的な機序である。シクロオキシゲナーゼ阻害剤であるインドメタシンは、アラキドン酸カスケードを阻害し、最も病態に即した有効な治療法であるにも関わらず、胎盤通過性を有し、胎児動脈管収縮をはじめとした胎児毒性をもたらすことから、本邦では使用が禁止されている。申請者は高分子ナノミセル技術を用いて、高分子ナノミセルにINDを搭載しINDの胎盤通過性を制御することで、胎児毒性の懸念のない、有効な新規早産治療薬としての臨床応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
分娩後のヒト胎盤を用いて胎児循環・母体循環を模倣し、実際の妊婦に薬剤を投与することなく物質の胎盤通過を検証することが可能なモデルであるex vivoヒト胎盤灌流モデルを確立し、薬剤のヒト胎盤通過性を検証することを目指していた。研究者は既に、PEGylated-Gold Nanoparticles (GNPs)を用いた実験において、胎盤通過性はGNPsの大きさに依存している傾向を確認していたが、安定した結果の取得が出来ていないことが課題であった。本年度は分娩後ヒト胎盤を用いて、試薬を投与せずに、母体側から投与したバッファーが胎児側から安定して回収できる方法を検討した。胎盤全体を用いて投与を行うも結果が安定せず、胎盤は一小葉単位を用いるのが適当であることがわかった。さらに、胎盤血管を穿刺して胎児循環を確立するだけでは安定して回収ができず、バッファーを均衡化する段階で多量のリークがある部位は縫合糸で結紮することでより回収が安定することがわかった。さらに、その縫合が穿刺血管の関連領域であると、安定して回収されないことが解った。本年度は結果においては大きな進展はなかったが、胎盤灌流実験についてより精度が高い検証方法の確立に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は正常胎盤を用いた胎盤灌流実験については既にある程度の結果が得られていたことから、早産期の胎盤や妊娠高血圧腎症などの産科的合併症を有する胎盤においても検証を行いたいと考えていた。しかし、実験をしていく中で安定して結果が得られていないことが発覚し、そのまま実験を継続しても信頼性の高い結果とは言えないのではないかと考え、再度正常胎盤における胎盤灌流実験の見直しを行うことにした。当初の実験計画からは大幅に遅れを取ることになってしまったが、説得力のある結果、再現性の高い結果を得るためには重要な見直しであったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回見直しを行った胎盤灌流実験については安定した結果の取得に繋がっており、改めてGNPsを用いたヒト胎盤通過性の検証を行うとともに、胎盤通過性のサイズカットオフを明らかにし、それを基にインドメタシン搭載高分子ナノミセルを作成し、通過性の検証を行いたい。また、動物実験に関しても再現性の高い結果取得が行えるよう、実験手法の見直しを行うことにした。当初の実験計画には遅れが出る可能性はあるが、胎盤通過性を制御した薬剤の生成に繋がるよう、着実に実験を進めていきたいと考えている。
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