Project/Area Number |
23K15858
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川村 善宣 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50967700)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 上半規管裂隙症候群 / Third mobile window / 眼球運動 / 頭蓋内圧 / 平衡障害 |
Outline of Research at the Start |
上半規管裂隙症候群は上半規管上方の頭蓋底の骨欠損により生じる裂隙が正円窓、卵円窓に次ぐ「第3の窓」として働き、特異で多様な蝸牛・前庭症状を呈する。「第3の窓」に起因する病態に関しては未だ不明な点も多く、本疾患を予測し診断することは困難な場合がある。本研究では体位変化で生じる眼振所見から裂隙に加わる局所的な頭蓋内圧動態のメカニズムを検証し、実臨床で上半規管裂隙症候群を予測しうる頭位誘発眼振評価法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
上半規管裂隙症候群において、体位変化によって裂隙に加わる圧変化のメカニズムについては十分に解明されていない。本研究において体位変化で生じる眼振所見から裂隙に加わる局所的な頭蓋内圧動態のメカニズムを検証するとともに、実臨床で上半規管裂隙症候群を予測しうる頭位誘発眼振の特徴を明らかにするため検証を進めている。 上記目的のため研究協力機関からの紹介により随時症例は確保されている。バラニー学会の診断基準に基づき、上半規管裂隙症候群の診断・鑑別目的に、側頭骨CT検査を施行し、片側の中頭蓋窩、または、上錐体静脈洞に裂隙を有する症例に頭位誘発眼振検査を行い、眼球運動の評価を進めている。コントロールとして診断・鑑別目的の同条件のCT検査で裂隙を認めない症例を設けて同様の検査を行っている。頭位誘発眼振検査のプロトコールを確立し、少なくとも2回の検査を別日に施行することで、眼球運動の再現性を確認し、対象・コントロールともに眼球運動解析の対象となる再現性のある眼振に対し眼球運動動画記録を蓄積している。 眼球運動評価においては動画記録用のビデオ眼振計において予備検討を進めた。診断基準を満たし眼振を認めない症例も一定数いるが、自発眼振、誘発眼振の再現性においてコントロール群との差を認めている。頭蓋内圧動態のメカニズムに関わる体位変化に伴う眼振の垂直成分については、上半規管面に沿った眼球運動を評価するために、動画解析ソフトを用いた眼球運動解析の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連施設の協力により着実に症例を確保できているが、少なくとも2回の検査を施行し再現性を確保するための記録に時間を要している。動画解析ソフトを用いた眼球運動解析については今後進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は症例リクルートに加え、眼球運動解析を行う。上半規管面に沿った眼球運動方向と同一性が得られた中頭蓋窩タイプと上錐体静脈洞タイプの頭位誘発眼振に対し、各体位変換で確認される垂直成分の頻度について解析を行い、各体位で裂隙に加わる加減圧についての傾向を検証する。また、中頭蓋窩タイプ、上錐体静脈洞タイプ、裂隙なしの3群について、頭位誘発眼振検査における眼球運動三次元解析のもと、各体位変化での眼振なし、再現性なし、再現性ありの頻度と再現性のある眼振の緩徐相方向、最大緩徐相速度を比較する。さらに、裂隙あり群で眼振や眼振の再現性を認めない症例についてはそれらの背景因子を検討する。
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