Project/Area Number |
23K15880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 あや 北海道大学, 大学病院, 助教 (70547653)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 耳鼻咽喉科学 / 時計遺伝子 / アレルギー性鼻炎 / 概日リズム / 鼻粘膜上皮 / タイトジャンクション |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アレルギー性鼻炎の病態形成や症状増悪に、鼻粘膜時計遺伝子発現リズムの恒常性が関与するかを検討し、その分子メカニズムを解明する。また、薬物投与によって時計遺伝子発現リズムを強化することで、鼻粘膜上皮バリア機能や2型炎症反応に影響を及ぼすかを検討する。鼻粘膜局所の体内時計のリズムを整えることで、アレルギー性鼻炎を予防・治療する時間治療法の開発をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性鼻炎の症状には日内変動があり、体内時計により制御されている。この背景として、時計遺伝子が自然免疫および獲得免疫を制御して、アレルギー反応の概日リズムを生み出すことが報告されている。一方で、体内時計のリズムが消失した時差ぼけモデルマウスは免疫老化をきたしたり、2型炎症が惹起されやすいという報告もある。シフトワーカーでは、アレルギー疾患の発症が多いという報告もあり、体内時計の乱れはアレルギー疾患の発症や症状増悪の危険因子と考えられる。本研究では、鼻粘膜における上皮バリア機能の概日リズムを評価するとともに、リズムの恒常性が上皮バリア機能やアレルギー反応の惹起しやすさとの関連を検討し、体内時計の乱れがアレルギー性鼻炎の病態形成に関与するか、あるいは増悪因子となりうるかを検討する。さらに、時計遺伝子発現リズムを増強・調節する作用のある薬物投与が、上皮バリア機能や2型炎症反応に影響を及ぼすかを検討する。 令和5年度は、手術検体(余剰鼻粘膜組織)を用いて、気液界面(ALI: Air-liquid interface)培養を行い、4時間毎に経上皮電気抵抗(TEER: Trans-epithelial electrical resistance)を測定して、鼻粘膜上皮バリア機能の概日リズムを評価した。さらに、経時的な時計遺伝子発量の推移をqPCR 法を用いて解析した。しかしながら、長期間の培養条件下では細胞の状態安定しないせいか、既報や単層培養での結果と照らし合わせても、TEER測定や時計遺伝子発現リズムの結果に信憑性を得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
気液界面(ALI: Air-liquid interface)培養は鼻粘膜の生理的環境を忠実に再現しており、鼻粘膜生理機能の評価に適している。しかしながら、手術検体を用いていることもあり、また、単層培養よりも環境要因の影響を受けやすく、長期間の遺伝子発現リズムを測定するには培養条件が安定しないせいか、既報や単層培養での結果と照らし合わせても、TEER測定値や時計遺伝子発現リズムの結果に信憑性を得られなかった。さらに、臨床業務での新規プロジェクト、新規臨床研究との兼ね合いで、本研究に費やせる時間が減少したことも研究進捗状況の遅延の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
ALI培養は鼻粘膜の生理的環境を忠実に再現しており、鼻粘膜生理機能の評価に適している反面、長期間安定した培養条件を 維持するのは困難であった。今後は、① 培養条件を変更する、② 手術検体ではなく市販のHNEpC(第2継代細胞)を使用して実験を行う、③ 培養条件の比較的安定している24時間以内のリズムのみ評価する、等の研究計画の微調整を検討している。
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