Project/Area Number |
23K15883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 英士 金沢大学, 附属病院, 助教 (00632530)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 上咽頭癌 / ファルネシル化 / エクソソーム / 頭頸部癌 / Epstein-Barrウイルス |
Outline of Research at the Start |
癌の転移には、エクソソームと呼ばれる細胞外小胞が重要な役割を果たしていると近年報告されており、上咽頭癌においてもエクソソームが高転移性に関わることが報告されている。 ファルネシル化はタンパクの脂質修飾の一種であるが、その阻害剤であるTipifarnibの、頭頸部癌に対する有用性が報告された。上咽頭癌モデルにおいても、エクソソーム分泌機構に、ファルネシル化が関与することが報告されている。 本研究において、上咽頭癌におけるエクソソームの形成機構に着目し、その機構へのファルネシル化の関与を解明し、さらには新規治療標的ならびにバイオマーカーとしての応用の可能性を探索することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
癌の転移には、エクソソームと呼ばれる細胞外小胞が重要な役割を果たしていることが、近年分かってきた。ファルネシル化はタンパクの脂質修飾の一種であるが、その阻害剤であるTipifarnibの、HRAS変異陽性頭頸部癌に対する有用性が2021年に報告された。上咽頭癌モデルにおいても、LMP1のエクソソーム分泌機構に、ubiquitin C-terminal hydrolase L1 (UCH-L1)のファルネシル化が関与することが報告されており、上咽頭癌への応用も期待できる。本研究は、タンパクのファルネシル化がエクソソームの形成に重要な役割を果たすという仮説の元、エクソソームの形成メカニズム、特に膜タンパクのエクソソームへの分泌メカニズムへの、ファルネシル化の関与を解明することを目的としている。 本年度は、培養細胞系を用いた実験によりファルネシル化阻害剤により細胞からのエクソソーム分泌量が減少することを示した。このことはエクソソーム形成メカニズムにファルネシル化が重要な役割を果たしていることを示唆している。さらには、臨床患者血清からのエクソソーム検出・PD-L1の検出を行った。現状は少数の症例であるが、PD-L1陽性エクソソームの検出に成功した。また、ファルネシル化阻害剤の有用性が示されているHRAS変異陽性頭頸部癌の検出法の開発も行った。HRAS変異をSanger法を用いて検出できることが示された。これにより、新たな観点からのファルネシル化阻害剤の有用性の探索も可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究において、培養細胞系を用いた実験によりファルネシル化阻害剤が細胞からのエクソソーム分泌量に与える影響について、評価を行うことが出来た。 また、少数の症例ではあるが、臨床患者血清からのエクソソーム検出・PD-L1の検出に成功した。 さらには、頭頸部癌の臨床検体から、HRAS変異をSanger法を用いた検出にも成功した。 以上のような結果が得られており、現時点では概ね順調に進展しているものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、培養細胞系では、エクソソーム形成メカニズムにおけるタンパク輸送機構に焦点をあて、詳細な解析を行うことを予定している。さらには培養細胞系で得られた結果を実験動物や臨床検体での解析に展開することも予定している。 臨床検体での解析でもこれまで一定の成果を得られているが、現段階では目的としている遺伝子や物質の検出に留まっている。これを患者予後などとの相関を併せて評価・解析し、実際の治療応用に向けた探索を予定している。
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