頭頸部がんに対するがん光免疫療法における治療抵抗性因子の探索
Project/Area Number |
23K15888
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
牧野 琢丸 岡山大学, 大学病院, 助教 (50648706)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 光免疫療法 / 頭頸部癌 / 再発 |
Outline of Research at the Start |
本邦では世界に先駆けて光免疫療法が保険医療として実施されているが、実臨床において本治療に抵抗性の腫瘍も経験される。治療抵抗性をもたらす因子はEGFR発現の低下や、レーザ光の照射不充分が指摘されている。しかし、申請者の予備検討によると残存腫瘍細胞はEGFRを過剰発現しており、レーザ光照射も充分であることから、他の治療抵抗性因子が存在することが疑われる。 本研究では光免疫療法前後の臨床検体を用い、治療効果に関する因子をゲノム科学的・分子生物学的実験を用いて探索し、さらに3Dプリンターで構築した腫瘍環境モデルによる検証実験を行う。これらの検討により、患者選択に資するバイオマーカーの確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本邦では世界に先駆けて光免疫療法が保険医療として実施されているが、実臨床において本治療に抵抗性の腫瘍も経験される。治療抵抗性をもたらす因子は明らかではなく、現時点ではEGFR発現の低下や、レーザ光の照射不充分が指摘されている。しかし、EGFRを過剰発現し、レーザ光照射も充分行われているにも関わらず腫瘍が残存することがあり、他の治療抵抗性因子が存在することが疑われることを今年度に論文発表した。つまり、光免疫療法の治療効果にはEGFR発現以外に複数の因子が関わっていることが示唆され、具体的にはEGFRの遺伝子変異、それ以外の遺伝子変異、腫瘍間質の微小環境等の関与が考えられる。本研究は、光免疫療法における治療抵抗性因子を同定することを目的とし、腫瘍自体の因子と腫瘍周囲微小環境の因子の両面からアプローチを行う。 今年度は治療前後検体の比較による遺伝子発現解析において、まずは免疫組織染色によるEGFR発現量の確認を行った。また、実際に用いられている薬剤が腫瘍にどれくらい結合しているか、またEGFR発現量と差がないかを調べるために、販売元から薬剤を入手できるよう手配を行った。この結果は2025年度に発表する予定である。 同時に光免疫療法の施行前後における腫瘍周囲微小環境を調べるため、治療前後の検体を採取して検討を開始した。まずは免疫組織染色にて当初の予定通り、免疫細胞、腫瘍関連線維芽細胞、内皮細胞、脂肪細胞等の局在と密度を評価する予定である。現在3例での治療前後の検体を採取できたため、同検討を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初のもう一つの予定であった治療後残存腫瘍に関しての検討が進んでいないが、準備は進んでおり、次年度中には終了する予定である。それ以外に関しては概ね進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
EGFRを標的とした治療であることから、当初はEGFRに差異がみられる可能性が高いと考えていたが、現時点では治療効果とEGFRの発現量には大きな差異は認められていない。今後はEGFRの発現量だけではなく、変異をはじめとしたEGFR自体の違いを主に検討していく予定である。 また、腫瘍のみではなく、治療前後の検体を用いた腫瘍周囲微小環境の解析を進めることで、リンパ球をはじめとした腫瘍周囲の環境が本治療によりどのような影響を受けているかを解明していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)