Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
世界における耳鳴患者数は約7億人に上り、うち1億人が重症と報告されている。近年では一般市民が戦争による爆発や衝撃波に遭遇する機会が増加し、高率に耳鳴をきたすことが大きな社会問題となっているが、耳鳴の発症機序や治療法は未だ解明されていない。本研究では爆傷動物モデルを用いて、行動実験による耳鳴の他覚的評価を行い、聴覚伝導経路における神経脱髄とシナプス障害による伝導速度遅延や神経発火の同期障害が、耳鳴の発症や重症度に影響するかについて詳しく検討する。本研究における末梢から中枢聴器に至る横断的な組織生理学的評価により、耳鳴の病態解明が期待される。