メタゲノム解析を用いた硝子体疾患におけるマイクロバイオームの同定
Project/Area Number |
23K15906
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅尾 和伸 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80866533)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | マイクロバイオーム / 細菌叢 / 真菌叢 / 細菌性眼内炎 / 結膜MALTリンパ腫 / 眼内炎 |
Outline of Research at the Start |
眼内硝子体におけるバイオームと疾患発症の関連については、まだ十分に報告されていない。本研究では硝子体を用いてメタゲノム解析を行い、硝子体におけるバイオームの同定を行う。健常硝子体疾患からCoreとなる硝子体固有のバイオームの同定、硝子体疾患発症に伴う変化、手術や抗生剤使用など治療に伴う変化を検討する。治療指標となりえるバイオームや環境変化を同定し治療へと結び付けていくことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細菌性眼内炎における起炎菌同定、結膜真菌叢の比較同定の、二つの解析を軸として研究を行った。 感染性眼内炎の原因は細菌、真菌、ウイルスに加え未知の起炎菌が原因となる可能性がある。本年は細菌にターゲットを絞り、比較解析を行うこととした。サンプル採取後、ゲノムを抽出し、次世代シーケンサーを用いて16Sメタゲノム解析を行い、硝子体中の細菌叢の同定を行った。同サンプルを用い、培養でも起炎菌同定を行い、メタゲノム解析との比較を行うことにより、本手法の解析精度の検討を行った。メタゲノム解析結果からは、硝子体中に占有率が有意に高い細菌が同定され、臨床所見と総合的に判断し、起炎菌と考えられた。また、培養が陽性の症例では、メタゲノム解析の結果と同様の起炎菌が同定された。加えて、培養が陰性の症例でも、起炎菌と考えられる細菌を同定することが可能であった。この結果は、培養では同定しきれない起炎菌もメタゲノム解析では同定できる可能性が示された。感染性眼内炎においてメタゲノム解析を行うことで、起炎菌の占有率が明らかにすることが可能であった。占有率の解析により、疾患発症に至るメカニズムの解析に繋がるよう、引き続き症例数を増やし、解析検討を進めている。 結膜真菌叢については、結膜擦過サンプルよりゲノム抽出後、ITS領域をターゲットとして、メタゲノム解析を行い同定を行った。健常人と結膜MALTリンパ腫における結膜真菌叢を比較したところ、疾患発症に伴い真菌Malasseziaの変化が認められた。また、結膜MALTリンパ腫患者においては菌叢の変化及び涙液ムチンの減少が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究対象として、細菌性眼内炎患者より硝子体採取を行い、次世代シーケンサーを用いて起炎菌の同定を行った。細菌性眼内炎の起炎菌同定では、培養で同定された細菌と同様の起炎菌をメタゲノム解析でも同定することが可能であった。培養が陰性である症例においても、起炎菌を同定することができ、感染か非感染かの判断にも有用な手段となる可能性が示された。 結膜真菌叢については、健常人と結膜MALTリンパ腫における真菌叢を比較した。患者群では真菌Malasseziaの存在比が有意に増加し、涙液ムチンの減少が認められた。 上記2種類の研究結果を論文にして投稿を行い、採択された。疾患発症に至るメカニズムの解析に繋がるよう、引き続き解析検討を進めている
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Strategy for Future Research Activity |
眼内炎では細菌をターゲットとして解析を行ったが、真菌においても同様の解析を行う予定である。それに伴い、結膜や皮膚など他の部位においても細菌、真菌叢の解析を行い、疾患発症に関与する可能性を検討していく予定である。 また眼内炎に加え、その他の網膜硝子体疾患の発症にも関与する菌叢の解析を行う予定である。そのため、サンプル採取は今後も継続して行っていく。得られたデータ解析し、学会発表や論文を作成していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)