Project/Area Number |
23K15914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
五藤 健児 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 学外研究員 (30905188)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ドライアイ / 自己免疫疾患 / 自然リンパ球 / 乳酸菌 / 免疫 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではドライアイの発症が腸管における自然免疫細胞である自然リンパ球(Innate lymphoid cells: ILC)と関連を有するとの仮説を基に検証を行うため、自己免疫性のドライアイ症状を生ずるNon-obese diabetic (NOD)モデルマウス用いて、小腸や眼組織におけるILCの発現と機能を解析することで、ドライアイの発症のメカニズムを確立するとともに、 腸管免疫に影響を与える乳酸菌由来菌体成分の効果を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はドライアイ病態への小腸免疫細胞、とりわけ自然リンパ球(innate lymphoid cells: ILC)の関与および乳酸菌菌体成分が小腸免疫に影響し、ドライアイ病態を改善するかについて明らかにすることを目的としている。ドライアイモデル動物は多数存在するが、本試験では自己免疫性のドライアイ病態を発症する Non-obese diabetic (NOD)マウスを用い、小腸や涙腺のILCの発現や機能の確認する。 NODマウスは週齢を重ねることで涙腺炎を発症することが明らかとなっているが、令和5年度はNODマウスと対照マウスであるBALB/cマウスを用い、小腸や涙腺を摘出した後、組織染色による病理解析や組織を適切に処理して回収した細胞のフローサイトメトリー解析を行い、各モデルの各臓器における病態様相の違いを確認した。その結果、4週齢のNODマウスでは涙腺への細胞の集積や涙液量の減少は発症していなかったが、6週齢のNODマウスではこれらの症状を発症していることが明らかとなった。また、4週齢のNODマウスの小腸では、BALB/cの病理と異なるようなヘマトキシリン・エオジン染色像が得られたことから、涙腺炎に先んじて小腸における病状を発症している可能性が示唆された。さらに、フローサイトメトリー解析では、リンパ球が腸管へ向かうためのホーミング因子の発現が低下したILC数がNODマウスにおいて増加しているという結果が得られ、4週齢よりも6週齢のNODマウスの方がその増加は顕著であった。したがって、腸管に帰属されるはずの自然リンパ球の低下がNODマウスにおける涙腺炎の発症に関わる可能性があると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書の予定通り、BALB/cマウスとNODマウスの病態の差異を各組織の病理解析や免疫細胞の変化を確認することで提示できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
小腸における杯細胞やパネート細胞の組織染色を行い、BALB/cマウスとNODマウスをより詳細に比較・検討を重ねることおよび再現性の確認を予定している。また、免疫を調節するとされる乳酸菌Enterococcus faecalis FK-23(FK-23)を同モデルに摂餌させ、涙液量への影響や小腸におけるILCと涙腺細胞との関連を令和5年度と同様の試験方法にて評価していく予定である。なお、既に予備試験の病理解析により、4週齢から2週間、3%のFK-23混餌をNODマウスに摂餌させることで、涙腺症状の程度を抑えることを確認している。FK-23のドライアイ改善効果の再現性を確認し、ILCの関与を立証する予定である。これらの得られた試験結果を取りまとめ、成果発表を行っていく予定である。
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