Project/Area Number |
23K15949
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
丸山 和晃 三重大学, 医学系研究科, 助教 (90821984)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | リンパ管 / 血管 / 脈管奇形 / 心臓発生 / リンパ管奇形 / PIK3CA |
Outline of Research at the Start |
本研究では、①頭頸部・縦隔・心臓領域のリンパ管発生を明らかにし、その所見に基づき②ヒトリンパ管奇形の病態モデルを確立することで、ヒト脈管奇形の病因・病因に基づく新たな治療薬開発を目指す。そのためにさまざまなCreマウスを使用し、PIK3CA-H1047R(機能獲得型変異)を胎仔期に発現させる。得られ個体の表現系を解析し、さらにヒト患者組織との比較や活性化シグナルを解析することで、脈管奇形の病態解析と新たな治療標的を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト脈管奇形の病態を解明するために、マウスモデルを使用した病態形成機構の解析を継続している。また、病態解明のためにヒト胚を用い、リンパ管の形成過程を詳細に調べ、論文として発表を行った(Yamaguchi et al., The EMBO J, 2024)。本研究では、体幹部と比較した頭頸部リンパ管の発生の特殊性を明らかにした。頭頸部リンパ管は体幹部と比較して時間をかけて管腔構造を形成し、成熟していく事が明らかになった(体幹のリンパ管は1週間程度の時間経過で完成するが、頭頸部のリンパ管は管腔構造を形成するのに1ヶ月程度かかる)。この発生時間が長い事が、エピジェネティックな変化や外部環境による影響を受けやすくしており病態の形成になんらかの影響を及ぼしている可能性が示唆された。 さらにヒト脈管奇形の病態や病変形成に関与するシグナルを同定するために、ヒト脈管奇形で高頻度に検出される体細胞変異を導入した遺伝子改変マウスを使用し、組織学的解析、遺伝子発現解析を行っている。本解析でヒト脈管奇形の解剖学的な特色を反映した脈管奇形を再現することに成功しており、さらに変異遺伝子により誘導されるシグナル変動を解析することにより、なぜ病変が生じるのかをつきとめるように研究を進めている。また、変異シグナルを抑制する化合物を用いる事で病変の縮小効果があるのかマウスモデルへ薬剤を投与し検討中である。本実験により、難病である脈管奇形に対し、分子的な病態機序に基づく新たな薬剤開発が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脈管奇形が頭頸部領域に頻発するのは、脈管の発生母体が頭頸部では異なるからだという、自身の業績に基づき研究を開始した。頭頸部領域の脈管起源を標識するCreマウスを用い、特定の細胞に変異遺伝子を導入したマウスモデルを用い、ヒト脈管奇形の解剖学的な特殊性を明らかにした。また、単離した細胞を用いたシングルセル解析から、病態形成に重要だと考えられるシグナル変動を見出した。このシグナルを抑制する事で脈管奇形の病態が抑制できるのか現在検討中である。同時に論文作成も開始しており、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在おこなっている解析を継続し、知見をより確かなものへとしていく。本年度中に論文化を行う。
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