Project/Area Number |
23K15957
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長島 隼人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20645113)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | リンパ浮腫 / Piezo1 |
Outline of Research at the Start |
LECの細胞間接着と、Piezo1を始めとする機械受容チャネルの関係性を明らかにし、リンパ浮腫に対する新しい治療・予防の標的として提示することが本研究の目的である。具体的には、選択的Piezo1阻害剤、促進剤の添加によるVE-カドヘリンを始めとした細胞間接着の評価、遺伝子発現解析や切片を用いた病理学的な検討を行う。さらに、リンパ浮腫モデルマウスを作成し、同様に薬剤投与することで、浮腫や炎症、リンパ機能評価を行い、新たな治療薬・予防薬の作成を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
機械受容チャネルPiezo1のリンパ浮腫への関与と治療ターゲットとしての可能性として、リンパ浮腫に伴う病態生理には機械受容チャネルであるPiezo1が関与していると仮説を立て、研究を行ってきた。具体的には、リンパ管の中枢部の閉塞による内圧上昇をPiezo1がセンシングし、細胞間接着、特にカドヘリンを介するLECのアドヘレンスジャンクションもしくはデスモゾームが脆弱となり、リンパ液が漏出しやすくなることで、リンパ管の輸送能までも障害されるという仮説を立てた。これを証明するために、まずヒトリンパ管内皮細胞(以下、LEC細胞)を用いてin vitroにおいて、Piezo1遺伝子発現があることをqPCRで確認した。さらに、ヒトLEC細胞にPiezo1促進剤(Yoda1)1.5uMを添加し24時間後に回収した(n=3)ところ、qPCRにおいてYoda1添加群でVE-カドヘリンの発現量に有意な低下を認めた。このことから、リンパ管内圧の上昇を、機械受容チャネルPiezo1を通してLEC細胞が感知し、細胞間接着であるVE-カドヘリンの発現が低下することで、アドヘレンスジャンクションが脆弱となり、リンパ液が漏出しやすくなる可能性が示唆された。 一方で、in vivoでの実験系の確立として、マウスを用いたリンパ浮腫モデルの作成・確立にも注力した。マウス尻尾基部の皮膚・皮下リンパ管を結紮切離することで、尻尾をリンパ浮腫を作成する尻尾モデルを行った。これについては3週間ほど浮腫は残存するものの、それ以降は治癒してしまうことが多く、より改善が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroの実験として、ヒトLEC細胞を用いて、仮説の根拠となるPiezo1遺伝子発現があることをqPCRで確認し、さらにPiezo1促進剤添加群でVE-カドヘリンの発現量に有意な低下することを発見した。このことは、リンパ浮腫の病態を解明する新たな知見として、仮説と相違ないことを示す結果であり、in vitro実験の進捗としては良好と判断した。 一方で、in vivoでのリンパ浮腫の実験系の確立としては、多くの既報におけるリンパ浮腫モデルが同様であるように、リンパ浮腫の作成後約3週間でリンパ浮腫が改善してしまう結果となった。現状でも実験に使用することは可能であると考える一方で、ヒト臨床におけるいわゆるリンパ浮腫は症状の長期残存が問題となっており、正確な実験のためにはより長期間浮腫が残存するモデルの作成が望まれている。 上記を合わせ、このような進捗の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vitroでのLEC細胞を用いた実験で、Piezo1とVE-カドヘリン、各ジャンクションの関連を、免疫染色やウェスタンブロットを通して、より明瞭に示すことを目指す。さらにin vivoでの実験をより正確に行うため、リンパ浮腫モデルの改良を行い、上述の機序の関与をin vivoでも証明する。
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