The mechanism of oral carcinogenesis by FAT1 gene mutation
Project/Area Number |
23K15977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
邵 文華 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60973477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 口腔癌 / FAT1 / 4-NQO / 扁平上皮癌 / 口腔がん |
Outline of Research at the Start |
研究代表者は口腔がんに高頻度に見られるFat1の遺伝子変異を模倣したノックインマウスを作成し、種々の検討を行っている。本研究では、ヘテロ接合体Fat1 ノックインマウスに化学発癌物質である4-NQOを投与し、Fat1遺伝子変異の口腔発がんへの影響を検討する。当該モデルを用いて口腔がんの多段階発がんにおけるメカニズムを病理組織学的および分子生物学的アプローチにより解析する。Fat1による発がんメカニズムの解明、さらには発がんの各段階を特徴づける分子について、組織標本上、及び血清・唾液中での発現解析を施行し、診断マーカーとしての可能性を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は口腔がんに高頻度に見られるFat1の遺伝子変異を模倣したノックインマウスを作成し、種々の検討を行っている。Fat1 KIマウスは、細胞外ドメインは翻訳されるが、膜貫通・細胞内ドメインは翻訳されない。興味深いことに、Fat1 KIマウスは ホモ接合体では高率に重度の下顎・舌形成障害をきたすが、ヘテロ接合体では外観に目立った形態異常は見られない。ヘテロ接合体Fat1 KIマウスは、口腔がん患者に高頻度に見られる遺伝子異常を背景としており、ヒト口腔がんの多様な病態を再現しうる有用な 解析モデルとなる可能性を有している。口腔がんの研究には、従来より4-NQOによる化学発がんモデルが頻用されてきた。4-NQOはUV-mimicな発がん性物質であるが、それ自身はDNA結合性も変異原性も有していない。一方、ヒト口腔がんの発症には様々な因子が複合的に関与していると考えられ、ヒトへのフィードバックを念頭に置く研究には、よりヒトに近い病態解析モデルの使用が不可欠である。本研究では、ヘテロ接合体Fat1 ノックインマウスに化学発癌物質である4-NQOを投与し、経時的に舌を含む全身の組織を採取し、Fat1遺伝子変異の口腔発がんへの影響、及び全身組織への影響を検討する。当該モデルを用いて口腔がんの多段階発がんにおけるメカニズムを病理組織学的および分子生物学的アプローチにより解析する。Fat1による発がんメカニズムの解明、さらには発がんの各段階を特徴づける分子について、組織標本上における診断マーカーとしての可能性を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトの癌腫で高頻度に認められるFAT1遺伝子変異「S3373X (stop codon)」を再現したノックイン(KI)マウスは、細胞外ドメインは翻訳されるが、膜貫通・細胞内ドメインは翻訳されない。興味深いことに、Fat1 KIマウスはホモ接合体では高率に重度の下顎・舌形成障害をきたすが、ヘテロ接合体では外観に目立った形態異常は見られない。ヘテロ接合体Fat1 KIマウスは、口腔がん患者に高頻度に見られる遺伝子異常を背景としており、ヒト口腔がんの多様な病態を再現しうる有用な解析モデルとなる可能性を有している。 令和5年度は、すでに作成済みのFat1 KIマウスのヘテロ接合体の雄性マウス90匹を被験群とし、16週間、100μg/ml濃度の4-NQOを飲水投与しその後、4-NQO投与を中止した。対象群は野生型マウスの雄性マウス90匹を用いた。被験群、及び対照群のマウスは8,16,24,29,32,34,37,40,43週齢でそれぞれ10匹ずつsacrificeして舌、肺、肝、膵、腎、大腸、小腸、脾臓、心臓、皮膚を採取し、10%中性緩衝ホルマリンで固定した。舌の腫瘍は大きなものについては細胞培養を行い、cell lineを樹立した。肝臓と肺は分子生物学的検索用に一部を液体窒素で凍結保存した。現在、ホルマリン固定標本はHE染色を施行し、形態学的解析を行なっている。また、免疫組織学的解析用に、未染標本を準備中である。 時間と労力が必要な動物実験と標本作成が終了しており、予備検討でKIマウスの発がん時期が早まる傾向も見出されていることから、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔癌の多段階発癌における分子メカニズムの解明(令和6年) ホルマリン固定された検体からHE染色を作成し、病理組織学的に各週齢における形態学的な病態評価を実施する。有意な所見がえられた場合は、ホルマリン固定組織から遺伝子を抽出し、癌関連遺伝子群の検索を行う。Fat-1はHippoシグナル経路に関与しており、本モデルマウスではYapの活性化が生じている可能性が考えられる。得られた各段階での組織切片を用いて、Yapの核での発現の有無を免疫組織学的に検討する。各週齢で最も代表的な形態変化を示した個体を各群2匹ずつ抽出し、凍結標本を用いてRNA-seqによる網羅的解析を実施する。 口腔癌の診断マーカーの探索(令和7年) YAPの発現解析や、RNA-seqの網羅的解析によって、形態学的変化を反映する鋭敏な分子が見つかった場合、当該mRNAの発現パターンをホルマリン固定標本上でRNA scopeを用いてin situ hybridization法で解析する。当該分子に対応するタンパクの発現を特異抗体を用いて免疫組織学的に検討し、組織学的診断マーカーとしての可能性を探索する。高発現量の分泌タンパク質が確認された場合は、診断マーカーとしての可能性を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)