Project/Area Number |
23K16076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
加藤 陽子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (20965397)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 咀嚼運動 / 運動障害 / 口腔機能 / 神経変性疾患 / 咀嚼障害 |
Outline of Research at the Start |
歯数や咬合の喪失による咀嚼機能の低下(器質性咀嚼障害)の概念は広く知られ、8020達成者は増加しているが、咀嚼困難感を訴える者は減少しておらず、その背景には口腔運動障害に伴う咀嚼障害(運動障害性咀嚼障害)が考えられる。全身の様々な運動障害をきたすことが知られている神経変性疾患の一部の疾患では顎運動範囲の制限や速度の低下などが報告されている。本研究では神経変性疾患患者の咀嚼運動について、健康高齢者との比較検討により疾患の有無による特徴を明らかにする。また神経変性疾患患者の咀嚼運動と口腔機能および身体機能との関連を検討することにより、速度や巧緻性など運動調節性において関連がみられるか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患患者では、疾患ごとに中枢神経系の様々な変性をきたす特徴から、その疾患特性が身体だけでなく口腔にも関連して現れ、咀嚼運動の運動調節にも影響する可能性が考えられる。本研究では、神経変性疾患患者の咀嚼運動を、健康高齢者と比較検討することで、巧緻性や速度などの運動調節にどのような特徴が示されるのかを明らかにする。また、咀嚼運動と口腔機能、咀嚼運動と身体機能とにそれぞれ関連が見られるのか検討する。以上により、運動障害性咀嚼障害のエビデンスを構築することを目的としている。 初年度である本年は、倫理申請、調査に必要な機器や物品の手配、対象者のリクルート、学会参加や文献検索などの情報収集を行った。このうち、咀嚼運動測定機器の入手については後述するとおり難渋したため実際の測定開始は遅れてはいるが、学会では神経変性疾患に関しての最新の知見の収集や意見交換を活発に行った。特にALSに関しては、複数の学会でTopicとして挙げられており、シンポジウムにも参加した。舌の機能印象を行うと疾患により異なる形態が得られるとした報告もあり、疾患特性が舌運動にも現れるのであれば連動する咀嚼運動にも現れるのではないかとの示唆を得られた。運動障害性咀嚼障害に関しては自身の発表において多数の質問を受けるなど一定の反応は得られたが、運動障害性咀嚼障害という概念そのものがまだメジャーではないためか、新たな情報は得られなかった。だからこそ本研究でエビデンスを構築し咀嚼運動の重要性を示す必要があると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の予定は対象者のリクルート、調査、データ蓄積であり、当初は、研究費受け入れ後すぐに機器を購入し、順次調査とデータ蓄積に着手する予定であった。 しかしながら、昨今の円安の影響もあり、予定していた機器を予算内で購入することが難しくなり、機器の入手が大幅に遅れたことから、調査とデータ蓄積に着手することができなかった。本研究の対象者は、ALSなど著しい筋力低下を伴う疾患の患者も含まれていたため、測定機器の重量は患者の負担を考慮する上で軽視できず、患者負担の少ない、筋力の低下した患者であっても動きの妨げになる構造の少ない測定機器を希望していた。しかし、当初より代替の候補としていた複数候補の機器も、軽量の物は予算の問題があり、予算内の物は重量や構造の問題があるなどして決めきれずにいた。2024年1月に新発売された機器が条件に合う物であったため、購入に至った。 対象者のリクルートに関しては、当初、疾患群として、a.大脳基底核の変性を主体とする疾患(パーキンソン病、進行性核上性麻痺など)の患者、b.小脳の変性を主体とする疾患(脊髄小脳変性症、オリーブ橋小脳萎縮症など) c.運動ニューロンの変性を主体とする疾患(ALS、脊髄性筋萎縮症など)それぞれ15名リクルート予定であったが、それぞれ3名にとどまっている。理由としては、当初リクルート予定であった対象者が疾患の進行に伴い経口摂取中止や通院中断、死亡などに至ったためである。今後、新規に来院した患者の中から順次リクルートを行う予定である。対照群については、地域在住健康高齢者のボランティア20名の参加の目処はついている。
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Strategy for Future Research Activity |
神経変性疾患は進行性であり、疾患の種類によっては急激な変化を伴うものもあるため、当初対象者として予定していた患者が、時間経過とともに除外となってしまう可能性もある。対象疾患の患者が来院したら可及的早期にリクルートを行い測定開始する必要がある。
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