Project/Area Number |
23K16096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
五十嵐 憲太郎 日本大学, 松戸歯学部, 専任講師 (00843971)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 口腔機能低下症 / 口腔機能管理 / オーラルフレイル / 国民皆歯科健診 |
Outline of Research at the Start |
口腔機能低下に対する効率的な管理を行うためにはその疾病のメカニズムを明らかにし、その低下に応じた対応を行う必要がある。しかし、高齢期における臨床での口腔機能の検査・評価・管理の普及が進んでいない現状である。本研究の実施によって、口腔機能低下症の疾病構造および症型に応じた具体的な口腔機能管理方法を確立し、さらにこれらの成果に基づいた口腔機能低下を簡便にスクリーニングが可能な検査を開発する。この研究の成果によって、効率的な口腔機能評価および管理が可能となり、高齢期の口腔保健向上、ひいては健康寿命の延伸に寄与すると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
口腔機能低下に対する効率的な管理を行うためにはその疾病のメカニズムを明らかにし、その低下に応じた対応を行う必要がある。しかし、高齢期における臨床での口腔機能の検査・評価・管理の普及が進んでいない現状である。本研究の実施によって、口腔機能低下症の疾病構造および症型に応じた具体的な口腔機能管理方法を確立し、さらにこれらの成果に基づいた口腔機能低下を簡便にスクリーニングが可能な検査を開発する。この研究の成果によって、効率的な口腔機能評価および管理が可能となり、高齢期の口腔保健向上、ひいては健康寿命の延伸に寄与すると考えられる。 2023年度は、高齢期の口腔機能の現状および実態を把握することを目的として、地域歯科医院来院患者を対象に実態調査を行った。地域歯科医院に来院した65歳以上の患者を対象に、年齢、性別などの基本情報、オーラルフレイルおよび口腔機能低下症の評価項目を実施し、年齢階級、性別、オーラルフレイルおよび口腔機能低下症の該当状況の違いによる口腔機能低下の状況を検討した。研究対象者82名のうち、オーラルフレイルおよび口腔機能低下症に該当した者はそれぞれ67名(81.7%)、72名(87.8%)、両者に該当した者は60名(73.2%)であった。両者の該当率に有意な差はみられなかった。地域歯科医院来院患者において、オーラルフレイルおよび口腔機能低下症の該当率は先行研究と比較して高い値を示したが、両者の該当状況に差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度はOF-5に基づくオーラルフレイルの評価と、日本老年歯科医学会の提唱する口腔機能低下症の該当状況の相違を検討した。2023年度は、オーラルフレイルと口腔機能低下症で評価項目が重複し、かつ評価内容が異なる咀嚼機能、嚥下機能、口腔乾燥について主観的評価と客観的評価との該当状況の検討を行った。いずれの評価項目についても、該当状況に有意な差は認めなかった。本チェックリストでの質問は「はい」「いいえ」の2件法で回答が可能な質問であり、簡便に評価が可能である。一方、口腔機能低下症に用いる評価は客観的な指標もしくは点数化が可能な指標である。Murakamiらは、咀嚼機能の評価において主観的な評価と客観的な評価の乖離に関連する因子として、手段的日常生活動作や抑うつ症状、歩行速度と言った身体的や精神的な指標があることを報告している。口腔機能を評価するに当たって、評価項目のうち主観的な評価指標と客観的な評価指標は双方を考慮する必要があると考えられる。しかし、日常の歯科臨床において両者を同時に評価するのは時間的な制約から困難であり、今後両者の関連についてはより詳細な検討が必要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに提唱されたOF-5に基づくオーラルフレイルの評価基準と、口腔機能低下症の評価項目とでは、明確な関連性は示されないことが提示された。今後は、両者の乖離に関連する要因の探索、および、対象者属性に基づく口腔機能低下の実態について検討を行う予定である。また、口腔機能低下に関連する心身の要因および栄養に関連する要因について、今後検討を行う予定である。
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