Project/Area Number |
23K16114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 聡子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70912228)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 口腔癌 / Wntシグナル / EMT(上皮間葉転換) / GATA6 / ANXA10 |
Outline of Research at the Start |
遺伝子発現を活性化または抑制する転写因子のGATAファミリーに属する内胚葉系統のマーカーであるGATA6は悪性腫瘍の発生や進展に関与するとされ、GATA6とEMT、GATA6とWntグナル伝達経路との関係性を示す報告がみられる。 当研究室ではGATA6の標的遺伝子としてANXA10を同定した。 本研究では、ヒトOSCC細胞におけるWntシグナル伝達経路によるEMT誘導と、ANXA10のEMT制御機構との関係性について検討し、その分子的メカニズムの一端を明らかにすることで、ANXA10を標的とした口腔癌の進展、転移を制御する新たな治療法の開発へと発展させることを目的とするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
GATA6は、真核生物において発生に関与するGATAファミリーに属する転写制御因子で、悪性腫瘍の種類によってはがん遺伝子として機能する可能性が示唆されている。これまでにGATA6の標的遺伝子としてANXA10を同定したが、ANXA10はその過剰発現あるいは発現低下が種々の癌腫に関与すると報告されている。これまでの研究でANXA10の発現がEMTの抑制に関与する可能性が示唆されたことから、まずは、GATA6およびANXA10に着目し、安定的なGATA6、ANXA10の過剰発現およびノックダウン株の樹立に着手した。 研究には、既存のヒトOSCC細胞の細胞株であるSa3、T3M-1 Clone2、HO-1-u-1、SCCKN、HSC-2、HSC-3、HSC-4を用いた。RT-qPCR法で解析したところ、全ての細胞株においてGATA6の発現が認められた。現在、GATA6およびANXA10のノックダウン株および過剰発現株の樹立に向けて計画を進めている。樹立した細胞を用いて、EMT関連遺伝子の変化を解析する予定である。 ところで、EMTを誘導するシグナル伝達経路のひとつにWntシグナル伝達経路がある。近年、悪性腫瘍において、GATA6とWntシグナル伝達の関係性に言及したいくつかの報告がなされており、今後は、樹立したGATA6、ANXA10の過剰発現およびノックダウン株におけるWntシグナル伝達経路およびEMT関連因子の変化についても引き続き解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存のOSCC細胞を用いて、GATA6やANXA10の過剰発現株あるいはノックダウン株を作成するにあたり、細胞株それぞれの特性に応じた条件の検討、および安定した結果を得るまでに時間を要した。よって、それに基づく以降の実行が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、GATA6の発現が確認できた既存のヒトOSCC細胞株を用いて、GATA6とANXA10のノックダウン株および過剰発現株を樹立する。 樹立した細胞株からそれぞれRNAやタンパク質を抽出し、RT-qPCR法やWestern-Blot法を用いてWntシグナル伝達経路への影響やEMT関連因子の変化について解析する。また、これらの細胞株へのWntタンパク添加によるEMT関連因子の変化についても解析する。さらにはRNA-seqを用いてこれらの因子を含めた遺伝子発現変化を網羅的に解析する。 In vivo研究においては、樹立した細胞株をヌードマウスの舌に接種し、腫瘍進展や頸部リンパ節転移の解析を行う。舌およびリンパ節は適切な時期に検体として採取し、標本を作製してWntシグナル伝達経路とEMTに関連した病理組織学的な評価を行う。
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