畳み込みニューラルネットワークを用いた顎顔面領域の画像分類モデルの構築
Project/Area Number |
23K16135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊東 浩太郎 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60868983)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | Deeplearning |
Outline of Research at the Start |
本研究は、本学附属病院にて2006年4月から16年以上にわたり医療用画像管理システムに保存されている患者画像データをディープラーニング時の教師データとして用いる。 CSV(Comma Separated Values)ファイルフォーマットでデータセットを準備する。 データセットは8bitのグレースケール画像、マトリクスサイズ256×256[pixel]とする。 病理診断や歯科放射線専門医によってタグ付けされた歯科放射線デジタル画像を用いてディープラーニングを行い、顎顔面領域の組織、疾患の画像分類モデルを作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づき、顎顔面領域の嚢胞性疾患、顎関節症の畳み込みニューラルネットワークを用いた画像分類モデルの構築を行った。その研究結果を学会発表し、論文として発表した。 学会発表は日本歯科放射線学会第4回秋季学術大会にて「畳み込みニューラルネットワークを用いた顎関節症Ⅲ型の画像分類モデル」と題して口頭発表を行った。論文はScientific Reportsに「Graphical user interface-based convolutional neural network models for detecting nasopalatine duct cysts using panoramic radiography」が掲載された。
研究成果の学術的意義や社会的意義 本研究で行った畳み込みニューラルネットワークを用いたAI学習により、顎顔面領域の疾患の画像分類モデルを作成することができた。現在パノラマエックス線画像を用いた顎顔面領域の嚢胞性疾患の検出のための画像分類モデル、MRIのプロトン密度強調像を用いた顎関節症Ⅲ型の画像分類モデルの作成を行った。これらの画像分類モデルは画像診断CADシステムの構築に利用することができるため、医療の質の標準化に寄与することができる。特に、顎顔面領域のような複雑な構造をしており、画像診断医が不足している領域において、医療の質の標準化が達成されることの臨床的意義は非常に大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに畳み込みニューラルネットワークを用いた顎顔面領域の画像分類モデルを複数種類作成することに成功している。また、そのうち1つを学会発表し、1つは論文に掲載された。 鼻口蓋菅嚢胞をパノラマエックス線画像から検出するための画像分類モデルを作成するために、LesNetとVGG16の2種類のアーキテクチャを用いてディープラーニングを行った。それぞれ85.3%と88.0%の正診率であり、放射線専門医の正診率80.0%を超える診断性能を示した。また、読像時間が291秒だった放射線専門医と比較し、4秒と非常に短時間で読像を行うことができた。非常に簡便なアーキテクチャを用いたため、AIのトレーニング時間も3分未満と短い時間で行うことができた。さらに、Gradient-weighted Class Activation MappingとLocally Interpretable Moderl-agnostic Explanations を用いて、AIが画像の中で着目しているポイントを可視化することに成功した。 顎関節円板の復位、非復位を識別するための画像分類モデルをAIディープラーニングを用いて作成することに成功した。アーキテクチャにはResNet-152を用いた。ハイパーパラメータは、Heの初期値、バッチサイズ32、学習率0.001、アルゴリズムはAdamを用いて、3000エポック学習を行った。作成された画像分類モデルは正解率、適合率、再現率、F値のすべてで0.9以上の精度を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は顎顔面領域の疾患のみならず、正常画像においても画像分類モデルを作成する予定である。顎顔面領域の医用画像には様々な解剖学的構造が含まれており、例えば顎下腺、耳下腺、下顎骨骨髄などは加齢変化や炎症性変化をすることが知られている。また、全身疾患により変化するとの報告もある。日常行うルーチン検査によりそれらの疾患や変化を検出することができれば、画像検査を行うことにより得られる利益も増加し、行為の正当化も得られる。画像のセグメンテーションを行う手法は種々存在するが、正常組織のセグメンテーションを行うためにエンコーダーとデコーダーで構成されているSegNetを用いる予定である。SegNetで期待するセグメンテーション性能が得られなかった場合は、U-Netを用いてセマンティックセグメンテーションを行う予定である。自動で画像中の正常組織をセグメンテーションした後、正常と異常の区別をする画像分類モデルの作成には精度の高いResNetを用いる予定である。 また、下顎骨の骨質について調査する予定である。LekholmとZarbの分類に従って下顎骨の骨質をCT画像から分類するモデルを作成する予定である。画像にはCTのクロスセクショナル画像を用いる。画像のアノテーションは歯科放射線専門医が行う。アーキテクチャにはResNet-152を用い、ハイパーパラメータは、Heの初期値、バッチサイズ32、学習率0.001、アルゴリズムはAdamを用いる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)