Project/Area Number |
23K16177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奈良 靖彦 東北大学, 大学病院, 助教 (30965950)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | エストロゲン / 低容量ピル / 破骨細胞 / 矯正治療 |
Outline of Research at the Start |
低容量ピルは少子化・晩婚化が進み女性の生涯経験する月経の数が増加している現代社会において、また女性患者の割合が多い矯正臨床の場においても服用者が増加している。骨の恒常性の維持に対して低容量ピルの主成分であるエストロゲンが影響を及ぼすことはわかってきたが、歯科矯正治療に対する影響や詳細なメカニズムは明らかになっていない。本研究の目的は、矯正学的歯の移動モデルマウスを用いて歯科矯正治療における低容量ピルの影響を明らかにすることである。歯の移動や歯根吸収に対してどのような影響を及ぼすのかを検討し、またそれに伴う骨吸収・骨形成調節因子の発現への影響とそのメカニズムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症や月経前症候群などの治療法として有効な低容量ピルは,少子化・晩婚化が進み女性の生涯子宮内膜症や月経前症候群などの治療法として有効な低容量ピルは,少子化・晩婚化が進み女性の生涯経験する月経の数が増加している現代社会でも使用が増加している。また、矯正臨床の場においても女性患者の割合が多いことから、低容量ピルの服用者は増加している。骨の恒常性の維持に対して低容量ピルの主成分であるエストロゲンが影響を及ぼすことはわかってきたが、歯科矯正治療に対する影響や詳細なメカニズムは明らかになっていない。近年、歯の移動に必須である破骨細胞の形成にはM-CSFとRANKLの2つのサイトカインに加え、炎症性サイトカインであるTNF-αが重要な因子として認識されているが、一方でエストロゲンが歯の移動に伴い産生される調整因子の発現やそれによる破骨細胞形成に対してどのような影響を及ぼすのかは不明である。本研究の目的は、in vivoとin vitroの実験を通して、歯科矯正治療における低容量ピルの影響を明らかにすることである。矯正学的歯の移動モデルマウスを用いて、歯の移動や歯根吸収に対してどのような影響を及ぼすのかを検討し、またそれに伴う骨吸収・骨形成調節因子の発現への影響とそのメカニズムを解明する。現在までにエストロゲンを減少する卵巣摘出マウス(Ovariectomized mouse)を作成し、マイクロCTで骨形態計測を行なったところ、骨の減少が認められた。エストロゲンが骨代謝に影響を与えることは確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたエストロゲンの骨代謝の影響を確認できた。次年度より破骨細胞形成に対するエストロゲンの影響をin vitroで確認していく。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、マウスの骨髄細胞より破骨細胞前駆細胞として集め、TNF-αおよび低容量ピルの主成分であるエチニルエストラジオールを加えて培養し、TNF-αでの破骨細胞形成に直接的な影響があるかについて調べる。また、破骨細胞形成においてTNF-αの下流のシグナル伝達を解析する。また、新生児マウスの頭蓋骨をコラゲナーゼおよびEDTAによる処理を行い骨芽細胞を回収し、BMP2およびエチニルエストラジオールを加えて7日間培養を行い、骨芽細胞分化をALP活性を測定し評価する。また、骨芽細胞にdexamethasone,β-glycerophosphate, ascorbic acidを加え、さらにエチニルエストラジオールを加え、21日間培養し、アルザリンレッドを用いて石灰化染色を行い、骨形成能を評価する。また、骨芽細胞のRANKL発現能をリアルタイムPCRにて解析する。次に生後5-6日齢の骨細胞特異的にGFPを発現するDmp1-Topazマウス頭蓋骨よりコラゲナーゼおよびEDTAによる段階的酵素処理により高濃度骨細胞フラクションを作り、その後、FACSを用いてGFP陽性骨細胞のみを単離して回収する。単離してきた骨細胞を、TNF-αおよびエチニルエストラジオールを加えて培養し、リアルタイムPCRにてRANKLの発現を解析する。また、野生型マウス頭蓋部にPBS、TNF-α、TNF-αおよびヒトでの投与量から算出した低容量のエチニルエストラジオールを腹腔内に5日間注入しin vivoでの破骨細胞形成を解析する。最後に野生型マウスにヒトでの投与量から算出した低容量のエチニルエストラジオールを4週間経口投与する。マウスの上顎左側第一臼歯を近心移動させ歯の移動距離および破骨細胞形成を評価する。
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