Project/Area Number |
23K16183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中條 真奈 (橋本真奈) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80824581)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | FIB-SEM / 歯根膜細胞 / 深層学習 / 歯根膜 |
Outline of Research at the Start |
歯科矯正治療は機能面や審美面の改善が行えるという利点がある反面、欠点も存在する。その最たるものとして歯根吸収が挙げられ、該当歯の動揺や脱落を招く可能性がある。現状では歯根吸収の原因及び機構は不明であり、臨床でも大きな課題である。そこで本研究はこの歯根吸収の機構を解明することを大目的とし、まずはプラズマFIB-SEMを用いて、矯正力を付与したマウス歯槽骨を三次元観察し、AIを用いた細胞の形態計測を行うことで、歯科矯正力感知時の歯周組織内の細胞群の形態変化を解明することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療において最も大きな課題の一つである歯根吸収の機構を解明する基盤的研究として、本研究では歯科矯正力付与時における歯根膜細胞の三次元形態変化を詳細かつ広範囲にとらえることを目的としている。 本年の研究では、先行研究においてキセノンプラズマFIB-SEMを用いた観察に成功していたニワトリ胚頭蓋骨の電子染色プロトコルをもとに、キセノンプラズマFIB-SEMを用いて矯正力を付与したマウス歯槽骨、および矯正力を付与していないマウス歯槽骨の観察を行なった。両者ともに解像度は50 nm/voxelとし、加工傷などがあまりついておらず観察に耐え得るX=約百μm、Y=百数十 μm、Z=数十μm程度の領域のデータを得ることに成功した。次に、Dragonflyソフトウェアによる深層学習を用いた歯根膜細胞の抽出を試みた。本研究では、まず学習初期に抽出対象となる歯根膜細胞に目視判定で特徴ピクセル値を設定し、教師画像を作製した後に深層学習へと移行し、組織抽出を行うこととした。しかしながら歯根膜細胞部の画像コントラストが弱かったことから深層学習が思うように進まなかったため、現在は歯根膜細胞部の観察に特化した染色条件の改良を進めている。なお、歯根膜細胞の核の抽出には成功しており、キセノンプラズマFIB-SEMによる観察後、73.4×133.5×85.3 μmの領域の組織抽出を行った後に三次元再構築を行った。三次元再構築を行うことで、層状に折り重なった網目状のコラーゲン線維束の周囲に存在する多数の細胞核を三次元観察することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キセノンプラズマFIB-SEMを用いた観察自体は成功しているものの、歯根膜細胞のコントラストを上げるために再度染色条件を検討していることから、進捗状況はやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
コントラストの高い画像を取得することで、その後の深層学習を用いた解析が進みやすいことから、まずは染色条件の改良を進めていく。撮影は国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)で行なっているが、Zoomを用いた遠隔での指示が可能であるため、連携を図りながら進めていく予定である。深層学習を用いた抽出や解析においても、ソフトウェア担当者とオンラインでの指示を仰ぎながら進めていく予定である。
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