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Involvement of Ca2+ signaling in drug-inflammation interaction and elucidation of Drug-induced gingival enlargement

Research Project

Project/Area Number 23K16190
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
Research InstitutionHealth Sciences University of Hokkaido

Principal Investigator

蓑輪 映里佳  北海道医療大学, 歯学部, 助教 (40751160)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywords薬物性歯肉増殖症 / カルシウム / イメージング / 炎症性サイトカイン / フェニトイン / NCX
Outline of Research at the Start

今までの報告ではフェニトイン(PHT)単独の作用と薬物性歯肉増殖症(DIGE)の発症を調査しているものが多いが、本研究はDIGE発症にはPHTと炎症性生理活性物質との相互作用が関与するという新たな発想に基づいている。具体的には、網羅的遺伝子解析(NGS)でPHTによって発現が上昇した成長因子やサイトカインなどの細胞外メッセンジャー刺激に対するPHTの増強作用とCa2+応答、および遺伝子発現を明らかにする。さらにPHT以外のDIGEを起こす薬物と生理活性物質との相互作用による①[Ca2+]iの制御機構、②遺伝子発現への影響、③遺伝子発現におけるCa2+シグナルの役割を解明する。

Outline of Annual Research Achievements

抗てんかん薬フェニトイン(PHT)による薬物性歯肉増殖症は、服用者の約50%に発症するがその詳細は明らかではない。薬物性歯肉増殖とCa2+シグナルとの間に何らかの関係がある可能性が示唆されており、PHTがヒト歯肉線維芽細胞(HGF)の細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)を上昇させることが複数の研究室から報告されているが、そのメカニズムに関するコンセンサスは得られていなかった。
申請者はこれまでに、PHTがHGFにおけるCa2+排出機構の1つであるNa+/Ca2+交換体(NCX)を抑制し、その結果、細胞外へのCa2+流出が阻害され、[Ca2+]iが増加することが明らかにした。しかし、HGF における NCX を含む Ca2+/陽イオン輸送体 (CaCA) スーパーファミリーの発現は不明である。そこで本年度は、HGFにおけるCaCAスーパーファミリーのサブタイプを明らかにすることを目的として研究を進めた。従来のPCR解析では、HGFにおけるNCX1の発現が検出されたが、NCX2および3は検出されなかった。さらに、K+依存性Na+/Ca2+交換体であるNCKX1 および3、およびミトコンドリアNCXであるNCLXの発現も確認された。Real-time qPCRを用いて、これらのCaCAの相対発現レベルをさらに調査した結果、HGFの細胞膜に存在するCaCAスーパーファミリーのメンバーは発現量の多い順からNCX1、NCKX1および3であり、NCLXの発現も確認された。この結果は、NCX1がHGFの細胞膜上のCaCA スーパーファミリーの主要成分であることを示唆している。
本研究からPHTが主にNCX1を抑制し、HGFの [Ca2+]iの増加につながることが考えられた。NCLX、NCKX1および3もPHTによって抑制され、HGFの[Ca2+]i動態に部分的に寄与する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

先行研究において、次世代シーケンサーを使った網羅的遺伝子発現解析を用いて、炎症関連物質とPHTの単独および相互作用によって変化する遺伝子や、PHTとCa2+シグナルに関与する新しいDIGE関連遺伝子を同定した。令和5年度は、この研究を発展させて①Ca2+イメージング法を使ったCa2+シグナルの解析(炎症に関与するオータコイド、サイトカイン、増殖因子などの刺激によるCa2+応答とPHTの増強作用を明らかにする。)、②Western blotting(WB)法を使ったMAPK系の解析(上記の刺激はMAPKやERKのリン酸化を起こすことが知られている。これらの反応におけるCa2+シグナルの役割と、PHTの作用を明らかにする。)を行う計画であった。しかし、自身の妊娠、出産のため、研究に確保できる時間を考慮し、以下のように実験計画を変更した。
先行研究において、PHTがHGFにおけるCa2+排出機構の1つであるNa+/Ca2+交換体(NCX)を抑制し、細胞外へのCa2+流出が阻害され、[Ca2+]iが増加することが明らかになっている。しかし、HGF における NCX を含む Ca2+/陽イオン輸送体 (CaCA) スーパーファミリーの発現は不明であったため、本年度は、HGFにおけるCaCAスーパーファミリーのサブタイプを明らかにすることを目的として研究を進めた。従来のPCR解析およびReal-time qPCRを用いた結果、HGFにおいてNCX1、NCLX、NCKX1、NCKX3が発現していることが明らかとなった。そのなかでも、細胞膜上のCa2+排出機構としてはNCX1が大部分を占めており、PHTによって生じる[Ca2+]iの上昇はNCX1を阻害することに起因している可能性が示唆された。これは、PHTによる[Ca2+]i上昇のメカニズムの解明のために重要な結果の一つだと捉えている。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画に沿って、
令和6年度 実験①:Ca2+イメージング法を使ったCa2+シグナルの解析:炎症に関与するオータコイド(PGE2、ブラジキニンなど)、サイトカイン(IL-16)、増殖因子(EGF、TGFβなど)刺激によるCa2+応答とPHTの増強作用を明らかにする。実験②:Western blotting(WB)法を使ったMAPK系の解析:上記の刺激はMAPKやERKのリン酸化を起こすことが知られている。これらの反応におけるCa2+シグナルの役割と、PHTの作用を明らかにする。
令和7年度 実験③:DIGE関連遺伝子発現の解析:DIGEに関連する遺伝子としてコラーゲン、コラーゲン分解酵素のMMPs、MMPs阻害酵素TIMPsのmRNA発現をRT-PCRおよび定量PCRで解析する。実験④:長時間のイメージング解析:G-GECO等の蛍光タンパクを用いた長時間のCa2+イメージングシステムを使用し、培養条件下のHGFのCa2+応答とそれに対するPHTの作用を明らかにする。またG-GECOとFucciを同時発現させ、PHTによるCa2+応答と細胞増殖の同時測定を行う。
計画通りに進まない場合の対応として、小さな[Ca2+]i上昇や局所的な反応を確認する必要が生じた場合は、高感度なレシオメトリックなCa2+センサーであるYC-Nano50を実験に用いる。蛍光センサーの発現率が低い場合や、発現量の異なる細胞が多い場合は、セルソーターを使って一定量の蛍光センサーを発現する細胞を選別する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Enhancement of receptor‐mediated calcium responses by phenytoin through the suppression of calcium excretion in human gingival fibroblasts2023

    • Author(s)
      Minowa Erika、Hayashi Yoshinobu、Goh Kenji、Ishida Narumi、Kurashige Yoshihito、Nezu Akihiro、Saitoh Masato、Tanimura Akihiko
    • Journal Title

      Journal of Periodontal Research

      Volume: 58 Issue: 2 Pages: 274-282

    • DOI

      10.1111/jre.13089

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] ヒト歯肉線維芽細胞におけるCa2+/陽イオン交換体遺伝子の発現解析2023

    • Author(s)
      蓑輪映里佳、 金久保千晶、 仙葉愼吾、 RezonYanuar 、倉重圭史、齊藤正人、谷村明彦
    • Journal Title

      北海道医療大学歯学雑誌

      Volume: 42-2 Pages: 13-20

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 歯肉線維芽細胞における薬物性歯肉増殖関連遺伝子の発現とその制御機構の解明2023

    • Author(s)
      蓑輪映里佳、倉重圭史、谷村明彦、齊藤正人
    • Organizer
      第61回日本小児歯科学会大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] フェニトイン誘発性歯肉増殖症における遺伝子発現制御機構の検討-歯肉線維芽細胞における炎症関連物質の発現と影響-2023

    • Author(s)
      金久保千晶、蓑輪映里佳、倉重圭史、榊原 さや夏、齊藤 正人
    • Organizer
      第40回日本障害者歯科学会学術大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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