Project/Area Number |
23K16195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
但野 愛実 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00885535)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 過剰歯 / Shh / 歯数異常 / ソニック・ヘッジホッグ |
Outline of Research at the Start |
歯の形態異常は小児歯科では接する機会が多く、今後も増加する疾患であると考えられ、その病態の解明は急務である。歯の発生は、ソニック・ヘッジホッグ(Shh)等の分子により制御されていることが報告されているが、shhが過剰歯の形成や単一中切歯などの顔面正中部分での歯数の決定に関わることが示唆されている。このことから本研究では、shhの機能を指標として過剰歯や癒合歯、先天性欠如などの歯数異常の発症機序に関する分子遺伝学的アプローチを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は上顎正中埋伏過剰歯の有無に関して、顔面形態を計測することから発見できるかどうかを検討した。調査対象は、本学大学病院小児歯科を受診した2歳から13歳までの小児であり、260名とした。その中で過剰歯を有するものが152名、過剰歯を有しないものが108名であった。顔面形態の計測には、スケールを眉上に置いた状態で顔面写真の撮影を行い、内眼角間、外眼角間、顔幅、鼻翼間、鼻翼基部間、人中間、口角間および内眼角/外眼角間、内眼角/顔幅等の計測点間の比について計測を行った。その結果、各計測点は、年齢の増加に伴って増大する傾向がみられ、年齢との間に明らかな相関関係が認められた。そのため、過剰歯との相関関係を見つけることが困難であった。そこで、内眼角間、外眼角間、顔幅、鼻翼間、鼻翼基部間、人中間および口角間の比率を算出し、これらの比率と年齢との関連を調査したところ、内眼角と外眼角間の比率の値に関しては、年齢との明確な相関を示さないことが明らかとなった。そこで、内眼角と外眼角間の比率と過剰歯との相関関係を解析したところ、内眼角/外眼角間比が0.45未満のグループにおける過剰歯が存在するオッズ比を1.0とした場合、0.45以上のグループではオッズ比が5.36であることが明らかとなった。以上の結果から、顔貌写真をもとに内眼角/外眼角間比を計測することで、過剰歯の有無についての予測が可能となることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は臨床研究として、顔貌形態から過剰歯の有無が予測できる可能性を示した。その一方で、基礎研究として、過剰歯を有する疾患から過剰歯形成に関与する分子を複数同定した。しかし、Shhと直接関連している分子は発見できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究として、顔貌から過剰歯の有無を予測した前年度の研究から、顔貌と歯数との間に何らかの関係があることが示唆された。そこで、顔貌写真から顔の形態を分析し、その結果から癒合歯や欠如歯の有無が予測可能であるか統計解析を行う。この研究により、顔貌だけから歯数をある程度予測できることになれば、診断の手間や、過剰な被爆を防ぐことが可能となる。 次に、基礎研究としては、引き続き過剰歯、癒合歯、先天性欠如歯と関連している分子をin silico解析によって同定し、Shhシグナルとの関連性を調査する予定である。Shhシグナルは、生物の発生過程で重要な役割を果たすシグナル伝達経路のため、この研究により歯数とShhシグナルとの間の新たな関連性が明らかになる可能性がある。 また、歯胚は上皮が間葉へ落ち込むことにより、プラコードが形成され、歯胚へと分化していく。そのため、歯胚の間葉系細胞には、過剰歯ができないように上皮の落ち込みを抑制する分子が存在している。そのため、我々が既に有している、ゲノム上でプロモーターごとの遺伝子発現を特定するCAGE法などから、間葉で発現している分子を網羅的に解析し、プラコード形成を抑止する分子をスクリーニングする予定である。これにより、過剰歯の形成を抑制する新たな治療法の開発につながる可能性がある。
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