Project/Area Number |
23K16206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
壷井 英里 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (40964185)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | Semaphorin / Semaphorin3A / 内軟骨性骨化 / 下顎頭軟骨 / ATDC5 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、Sema3AのRac1を介したSox9発現調節機構による、下顎頭軟骨細胞の分化に対する作用メカニズムと下顎頭におけるSema3Aの内軟骨性骨化調節機構を解明することを目的とする。Sema3Aの有する軟骨細胞分化・成熟促進作用により、下顎枝成長促進作用が解明される可能性が考えられる。結果を発展させ、 採血や採尿などの簡便な方法で、Sema3Aを下顎後退症の発症リスクを評価するマ ーカーとして診断に応用するところに創造性がある。また、内軟骨性骨化は骨格で広範囲に認められるため、歯科領域の他に、成長障害を引き起こす軟骨疾患の評価、予防および治療につながる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
Semaphorin3A(Sema3A)は骨芽細胞の分化促進と破骨細胞の分化抑制を同時に調節し、骨量を増加させるという骨保護作用を有していることが報告され、骨関連疾患の分野において特に注目が集まっている。そこで申請者らは、下顎頭軟骨細胞におけるSema3Aの機能について着目し、検討を開始した。その結果、Sema3Aが培養軟骨細胞の初期分化段階で高発現し、Sox9およびType II collagen遺伝子発現を増加させることを明らかとした。本研究では、これまでの研究をさらに発展させSema3Aによる軟骨分化マーカー発現誘導の作用機序について検討を行った。Sema3A添加が培養軟骨細胞の基質産生能および石灰化能へ与える影響を検討するために、培養軟骨細胞の分化開始から継続してSema3Aを添加し、分化開始 14 日目に アルシアンブルー染色を行い、顕微鏡下で観察し細胞動態を確認した。さらに、アルシアンブルー染色の吸光度を計測したところ、Sema3A添加群ではプロテオグリカン合成能が有意に増加した。分化11日目に培養上清中のヒアルロン酸量をELISA法にて測定したところ、Sema3A添加群では有意に増加していた。また分化21 日目において、ALP 活性試験を行うと、ALP活性は低下していた。現在、Sema3A添加によるシグナリング経路活性を検討するため、培養軟骨細胞の分化7日目にSema3Aを添加し、Rac1とPAKの活性について定量western blot解析により比較検討を行っている。また、NRP-1、Rac1ブロックによる基質産生能および軟骨細胞分化の比較検討のため、分化7日目にNRP-1 siRNAを導入し、Sema3Aを添加し、Type II collagen、Sox9について、定量PCR遺伝子解析および定量western blot解析により比較検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画の通りにマウス前駆軟骨細胞株(ATDC5)におけるSema3Aによる軟骨分化マーカー発現誘導の作用機序の解明が進んでいる。引き続き、シグナル経路の解析を行いつつ、動物実験をおこなっていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Sema3A局所投与に対する下顎頭軟骨分化への影響の検討を行なっていく。ラット顎関節および血中Sema3Aおよび受容体のタンパク量検討を行う。また、下顎頭軟骨におけるSema3Aの局所投与の影響を検討するために、Sema3Aをラットの顎関節腔に毎日局所投与し、組織学的検討(HE染色、トルイジンブルー染色、サフラニンO染色)やSema3Aおよびその受容体であるNRP-1、PLXNA1、軟骨基質構成タンパク質およびSox9発現について免疫組織化学染色およびマイクロCTを用い、画像解析を行う。Sema3A投与群と非投与群の2群を比較検討する。
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