Project/Area Number |
23K16209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
湯川 未郷 明海大学, 歯学部, 助教 (00906703)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 疼痛 / 開口反射誘発閾値 / TRP / 温度感受性 / CXCR / ROS |
Outline of Research at the Start |
開口反射活性により疼痛の定量評価可能な動物モデルを用いて、矯正治療における歯の移動に伴う疼痛の発現・緩和機構を解明する。CXCR拮抗薬およびtransient receptor potential(TRP)拮抗薬に注目し、局所塗布の効果を検討する。同時に、温度感受性の評価を行う。疼痛評価後に、三叉神経節、矯正歯周囲の歯槽骨、歯根膜を摘出する。三叉神経節はGFAP免疫染色、歯槽骨はTRAP染色を行い組織観察を行う。また、歯根膜はWestern blot法で炎症性サイトカイン量の変化の網羅的解析を行う。歯根膜でのROS変動と骨吸収の関係、三叉神経節でのROS変動と鎮痛効果の関係の検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
矯正治療では歯の移動に伴い疼痛を生じる。これまで疼痛を定量評価可能な動物モデルを用いて、矯正力負荷に伴う疼痛の緩和方法を検討してきた。なぜなら、歯科で頻用の鎮痛薬である酸性非ステロイド性抗炎症薬とCOX非阻害性の解熱性鎮痛薬は、歯の移動を制限すること、歯の移動に伴う疼痛を十分に制御できないことが報告されているからである。今までの研究で、TRP(transient receptor potential)拮抗薬は歯の移動に伴う疼痛緩和が可能であることが明らかになった。一方で、TRPV1拮抗薬は歯の移動に影響はないが、成熟破骨細胞を減少させることや、口腔内と体表面での温度感受性処理に差があることが確認された。以上より、本研究の目的として、骨のリモデリングに関与しない新規疼痛緩和薬候補(CXCR拮抗など)の探索ならびに有効かつ安全な投与ストラテジーと、歯の移動に伴う疼痛に関わる因子と組織毎の温度感受性を同時に探索している。以前の研究により歯の移動に伴う疼痛は複数のTRPチャネルが関与していることが示唆されている。一方で、口腔内と体表面(足底部)ではTRP拮抗薬を塗布した際に温度感受性の違いが生じた。そのため、他の拮抗薬での鎮静効果の探索を行う前に、口腔内および足底部の温度感受性についての実験を先行して行った。上記の動物モデルを使用し、以下の方法で矯正力負荷前と負荷後で計測した。浅麻酔下で高温のプローブを口腔内(口蓋)および足底部にて刺激し、回避反応を観察した。足底部と比較し、口腔内の方が高温で回避反応が起こった。一方で、覚醒下の足底部ではホットプレートを使用し行動観察を行った。浅麻酔下の足底部と比較して、低い温度で回避行動が起こった。おな、矯正力負荷前後の違いは個体差があった。これにより、口腔内と足底部では温度感受性の違いがあり、加えて麻酔下と覚醒下でも温度感受性の違いがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的として、骨のリモデリングに関与しない新規疼痛緩和薬候補(CXCR拮抗など)の探索ならびに有効かつ安全な投与ストラテジーと、歯の移動に伴う疼痛に関わる因子と組織毎の温度感受性を同時に探索している。歯の移動に伴う疼痛の緩和を調べるため、薬剤塗布を行い疼痛を定量評価可能な動物モデルを用いて薬剤の効果を生理学的、組織学的、生化学的に測定する予定であった。一方で、先行研究で口腔内と足底部での温度感受性の違いが示唆されたため、まずは薬物塗布せずに、矯正装置未装着群、矯正装置にて矯正力負荷群、矯正力非負荷群にて、口腔内および足底部での温度感受性について測定することとした。覚醒時は足底部の温度感受性についてホットプレートを使用し行動実験を行った。加えて、浅麻酔下にて、温度プローブを高温に設定して、回避行動を観察している。一方で、口腔内は覚醒下での計測は困難なため、飲水行動の温度を調整して今後行う予定でる。また、口腔内では口蓋および舌で計測している。足底部と同様に、浅麻酔下にて、温度プローブを高温に設定して、回避行動を観察している。なお今後は、薬剤の効果を見るために今後は口腔内および足底部に薬剤塗布し、温度感受性を観察する予定である。実験計画の順番が前後しているが、おおむね、当初の計画通り研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
温度感受性の口腔内と足底部での違いについて、ホットプレートおよび温度プローブにて、一定の温度で計測してきたが、様々の温度にて回避行動を観察する。また、覚醒下での口腔内の温度感受性を観察するため、温水を用いて飲水行動を行う。この際も、様々な温度に設定して行う予定でる。その後、口腔内および足底部にTRP拮抗薬の塗布を行い、薬剤の効果や温度感受性の変化について計測する。その際、TRP拮抗薬の濃度や、様々な温度での測定を行う予定である。また、本動物モデルにおける矯正力負荷前と負荷後での違いをさらに探索する予定である。 加えて、矯正力負荷による疼痛効果を測定するため、新規疼痛緩和薬候補(CXCR拮抗など)を使用し、開口反射誘発閾値にて疼痛評価を行う予定である。疼痛評価後は三叉神経活性の観察、炎症性サイトカインの計測を行う予定である。開口反射活性により疼痛の定量評価可能な動物モデルを用いて、矯正治療における歯の移動に伴う疼痛の発現・緩和機構を解明する。CXCR拮抗薬およびtransient receptor potential(TRP)拮抗薬に注目し、局所塗布の効果を検討する。同時に、温度感受性の評価を行う。疼痛評価後に、三叉神経節、矯正歯周囲の歯槽骨、歯根膜を摘出する。三叉神経節はGFAP免疫染色、歯槽骨はTRAP染色を行い組織観察を行う。また、歯根膜はWestern blot法で炎症性サイトカイン量の変化の網羅的解析を行う。歯根膜でのROS変動と骨吸収の関係、三叉神経節でのROS変動と鎮痛効果の関係の検討を行う。
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