Project/Area Number |
23K16222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 武史 大阪大学, 大学院薬学研究科, 招へい教員 (10898224)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 口臭 / 口腔細菌 / アクチノマイセス属 / 硫化水素 / 歯周病 / 代謝 |
Outline of Research at the Start |
口臭は他人が最も不快に感じる体臭の一つである。口臭の原因には、硫化水素(H2S)が知られており、我々は特にActinomyces naeslundii(A.naeslundii)がシステインを代謝することで、最も多くH2Sを産生することを見出した。さらに、糖(グルコース)が共存することで、グルコース濃度依存的に菌増殖以上にH2S産生が増加することを明らかにした。 本研究では、グルコース存在下でのA.naeslundiiのH2S産生増加において、菌体内外代謝や遺伝子発現解析を中心にその増加機構の仕組みを解明し、新たな口臭予防の治療に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
口臭は、歯科学的にも社会的にも軽視できない問題であり、近年の清潔志向を背景に益々 注目されている。口臭の原因物質としてはVSCsが認められ、その中でも硫化水素は主要な口臭原因物質の一つとして知られている。代表的な15種の口腔細菌から硫化水素産生菌を特定したところ、口腔バイオフィルムの中核的存在を示すA. naeslundiiがシステインとグルコースを代謝することで最も多くの硫化水素を産生することを確認した。そこで、本年度は研究計画に基づいて、上記条件下でのA. naeslundiiの菌体内遺伝子発現を網羅的に解析した。その結果、培地にシステイン添加した条件下では既知の硫化水素産生経路に関連する遺伝子の発現は抑制された。一方で、別の硫黄化合物の代謝に関連する遺伝子が高発現していた。そこで、その硫黄化合物をシステインと共にA. naeslundiiに添加すると硫化水素の産生が促進された。以上より、A. naeslundiiの硫化水素産生における主要因代謝物を新たに特定した。 今後は、菌体内外での新規硫黄化合物の動態解析を進めると共に、その代謝経路に関連する遺伝子発現についても解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023度研究実施計画に記載したA. naeslundiiの遺伝子発現の網羅的解析は完了した。その中で、硫化水素発生における新たな代謝経路を見出すなど当初仮説とは異なる結果を得られているが、研究としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遺伝子網羅的解析から得られた、当初想定していなかった新たな代謝経路に着目する。高発現している遺伝子が関与する代謝経路上にある代謝物を用いて、A. naeslundiiの硫化水素産生の関与の有無を確認する。また、菌体内外代謝物の解析を実施し、A. naeslundiiの硫化水素産生の新たな代謝経路の特定を検討する。
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