Project/Area Number |
23K16245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山本 貴文 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (10850612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 社会疫学 / 歯痛 / ライフコースアプローチ / 因果推論 |
Outline of Research at the Start |
歯科疾患の有病率は世界的にも極めて高く、公衆衛生上重要な課題である。歯痛は、歯科疾患の前駆症状として現れることが多く、来院時の代表的な主訴であり、様々な関連が横断研究で示されているが、縦断研究やライフコース研究はほとんど行われていない。そのため、1)歯痛を予測する、各ライフステージにおける要因は何か(全身の健康(SDH,健康リスク行動なども含む)から、歯痛の関連をみる)、2)歯痛が全身の健康に悪影響を与えているか(歯痛から、全身の健康との関連をみる)という2つの視点での研究が必要である。本研究は“ライフコースにおいて口腔の健康が全身の健康とどう関わるのか”これを、歯痛を切り口として検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は申請時点の計画書の予定通り、幼少期の社会経済状況(SES)が高齢期の歯痛の予測因子となるかについて大規模疫学調査データを用いて分析を実施しました。研究参加者は身体的および認知的に独立した65歳以上の成人21,212人が選ばれました。平均年齢は 74.5 歳 (標準偏差 ±6.2) で、47.5% が男性でした。このうち、6,222 人 (29.3%) が過去 6 か月間に歯痛を経験し、8,537 人 (40.2%) は小児期の SES が低い参加者でした。ポアソン回帰分析の結果、小児期の SES が中程度および高い参加者は、歯痛の Prevalence rate(PR) が低くなりました (それぞれ PR= 0.93、95% CI 0.89~0.98、PR= 0.79、95% CI 0.73~0.85)。興味深いことに、これは幼少期以降のSES(教育歴、現在の収入など)を共変量としてモデルに組み込んだ場合でも一貫して関連していました。さらに、いくつかの変数を媒介変数として幼少期のSESと歯痛の関係をどの程度説明するのかについて媒介分析を実施したところ、4つの幼少期以降のSES(教育歴、現在の主観的経済状況、現在の客観的経済状況、現在の資産)と口腔内の状態(現在歯数)の5つの経路を経由する割合は最大でも40%にとどまっていました。これは幼少期のSESと高齢期の現在歯数の関連のうちの80%を幼少期以降のSESが説明していたとする過去の先行研究の結果と異なる結果でした。このことは現在の観察研究では考慮できていない経路のメカニズムが存在している可能性を示唆しています。この研究は、高齢になっても良好な口腔の健康状態を維持するために、幼少期の SES をサポートすることの重要性を改めて強調しています。なお、当該成果をまとめた論文は現在投稿中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画段階時点である程度準備をしていたこともあり、現時点での進捗は計画通りであると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画に沿って研究を進めたい。2024年4月より職場が変わったこと、それにともなう研究エフォートの変化などもあるため明確な見通しを立てることが困難ではあるが、研究計画の遂行に努めたい。
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