Project/Area Number |
23K16273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
長谷川 尚美 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神疾患病態研究部, リサーチフェロー (70865906)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 統合失調症 / うつ病 / 治療ガイドライン / 社会実装 |
Outline of Research at the Start |
精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)は国内外に例がない治療ガイドラインの社会実装とその効果を検証する研究である。これまでに、EGUIDE講習の受講者は非受講者よりもガイドラインの推奨治療の実施率が高くなることを明らかにしてきた。本研究は、効果の有無がどのような要因と関連するか検証を行い、ガイドラインの社会実装戦略をより発展させるための手がかりを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)は国内外に例がない治療ガイドラインの社会実装とその効果を検証する研究である。申請者はプロジェクトの参加施設から収集された治療データを用いて、EGUIDEの戦略により2016~2019年に収集した治療行動のデータから、いくつかのガイドライン推奨治療の実施率が実臨床で向上したことを明らかにした。EGUIDEの戦略が有効であった推奨治療がある一方、その時点で効果が得られなかった推奨治療が存在する。本研究は、効果の有無がどのような要因と関連するか検証を行い、ガイドラインの社会実装戦略をより発展させるための手がかりを明らかにすることを目的としている。 講習の効果に影響する要因としてまずは、統合失調症の2016~2021年度のデータを用いて「時間」について検討すべく解析を行った。結果、2016~2019年のデータでは講習効果が見られなかった推奨治療のうち、抗うつ薬の非処方率、気分安定薬・抗てんかん薬の非処方率、持効性注射剤の使用率に効果が見られる傾向にあり、これらは2016~2021年度にかけて徐々に増加していることがわかった。このことから、講習の効果が遅れて発揮される、もしくは小さい効果が徐々に蓄積されることで長期的に見ると有効性が得られる可能性がある。来年度は2023年度のデータまで使用できる状態にクリーンアップが行われる予定のため、さらに解析を進めていく。 本研究の重要な要素として、効果検証のために2016年度から続く本プロジェクトの維持と、多くの研究参加者・研究参加施設からデータを収集することが挙げられる。本年度も、データ収集が計画通り進むよう尽力し、結果、約1025名の研究参加医師のガイドライン実践度データ、約190施設分約4180症例の治療データを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も例年通りプロジェクトの継続と発展、データ収集を行うことができた。また、論文発表や学会発表なども行っていることから、本計画はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は、これまでに収集した6年間分のデータを用いて解析を行い、長期的に講習効果を観察する重要性を提示することができた。また、プロジェクトの維持と、多くの研究参加者・研究参加施設からデータを収集することを例年通り継続することで、本研究に用いるデータの蓄積とクオリティの維持をおこなった。R6年度は8年間分のデータを用いて、ガイドライン推奨治療の長期的な経過を観察し、プロジェクトの効果の持続性や、遅効性の効果などの検証を行う。 これらの結果から、ガイドラインの社会実装を継続的に拡大させ、精神科医療の発展にさらに寄与できることが期待される。
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