Project/Area Number |
23K16362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中島 拓紀 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40745436)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | レセプトデータ / 脆弱性骨折 / 原発性アルドステロン症 / 褐色細胞腫 / Cushing症候群 / 骨粗鬆症 / 副腎腫瘍 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)より申請者らが独自に構築した1億人規模の医療・介護・健診連結レセプトビッグデータを用いて、縦断的な解析を行い、リアルワールドでの機能性副腎腫瘍(原発性アルドステロン症・褐色細胞腫・クッシング症候群)と骨粗鬆症及び脆弱性骨折リスクの関連を明らかにする。さらに治療方法を含めた骨折リスク関連因子を明らかにすることにより、病態の解明とともに合併症としての骨折予防に結びつけることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レセプトビッグデータであるDeSCデータベースとNDBより、機能性副腎腫瘍と骨粗鬆症の脆弱性骨折の関連を明らかにして、その上で治療法と骨折リスクを解明し、骨折予防を目指すことを目的としている。これまではDeSCデータベースを用いて原発性アルドステロン症と脆弱性骨折の関連について明らかにした。DeSCデータベースは2022年度では約1100万人規模であり、一部特定健診のデータを格納していることから大規模な解析が可能であった。一方、DeSCデータベースのみでは原発性アルドステロン症の患者数では治療法や骨折リスクの層別解析が困難であり、また褐色細胞腫及びCushing症候群の患者数が少ないことから、現在は申請済みであるNDBのデータの受領待ちである。データの受領ができれば各機能性副腎腫瘍と脆弱性骨折のリスクを解析する予定である。 レセプトデータベースにおいてはレセプトにおける疾患の定義が重要であり、脆弱性骨折に関してその定義の検証を行った。脆弱性骨折はICD-10に準拠して病名コードを抽出し、海外の既報を参考にしてレセプト上の定義を定めた。これまでは脆弱性骨折と特定健康診断結果を分析し、本研究での脆弱性骨折の定義と既報の脆弱性骨折のリスクが一致していることより、定義の妥当性を示し、学会で発表した。また朝食抜きや遅い夕食が脆弱性骨折のリスクになることを新たに示した。この結果に関しては英文論文にまとめて現在投稿中である。またこの研究からさらに発展して、好ましくない生活習慣(朝食抜き・遅い夕食・喫煙・歩行速度が平均以下・運動習慣がない)が集積することにより脆弱性骨折のリスクが相加的に上昇することが判明し、高血圧症・脂質異常症・腎不全などが脆弱性骨折に与える影響については層別に解析して、リアルワールドにおけるリスクの比較を行った。これらの結果は学会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はやや遅れている。当初の計画では当該年度と次年度で機能性副腎腫瘍と骨粗鬆症・脆弱性骨折のリスクを算出することであった。現時点では原発性アルドステロン症と脆弱性骨折のリスクに関しては検証できているが、他の機能性副腎腫瘍に関してはそのリスクが検証できていない。また褐色細胞腫とCushing症候群のレセプトデータにおける定義が定まっていない。その一つ目の理由としては、機能性副腎腫瘍の定義について先行論文が少なく、特に褐色細胞腫とCushing症候群は有病率が非常に低いことから、DeSCデータベースによる検討を困難としていることにある。二つ目の理由としては、NDBのデータ提供の遅れにある。機能性副腎腫瘍は比較的有病率の低い疾患であり、さらに脆弱性骨折といった高頻度ではない合併症を評価するためには非常に多数の登録者が必要である。NDBのデータ提供は2024年度中に提供される見込みであり、提供後は速やかにデータの解析を開始する。NDBのデータの提供がさらに遅れる場合にはDeSCデータベースの登録者数が1年毎に相当数増加してきていることから、再度DeSCデータベースでの解析を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
NDBのデータが提供されるまでは、追加で登録者が提供されるDeSCデータベースを中心に機能性副腎腫瘍の定義の構築を行う。また院内の電子カルテベースにレセプトデータと紐づけてより妥当性の高いレセプトの定義の策定を検討する。骨粗鬆症及び脆弱性骨折のリスクについては対照群である本態性高血圧群と傾向スコアマッチングまたは高次元傾向スコアなどでの比較を行う。 治療法別では、内服治療開始後や手術療法後の脆弱性骨折のリスクの検討を行う。特に原発性アルドステロン症では片側性と両側性により腫瘍の性質が異なる可能性があり、可能な限りレセプトやその他の結果から推測して、予後の違いを検討する。 NDBのデータが提供された場合はさらに詳細なリスク因子・予後の解析が可能であり、比較的有病率の低い褐色細胞腫やCushing症候群に関しても層別にリスクを解析することが期待できる。NDBのデータ提供の時期により研究計画の進行が影響されてしまうが、それまで可能な限りDeScデータベースでの解析を行い、円滑にNDBの解析に移れるように準備を行いたい。
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