血小板由来微小胞による新たな骨格筋修復機構-低体温症に伴うシバリングとの関連-
Project/Area Number |
23K16376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
堀岡 希衣 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (20897730)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 低体温症 / 血小板 / PDMV / シバリング |
Outline of Research at the Start |
低体温症は、深部体温が低下することにより様々な障害を引き起こす病態であり、高度低体温症では未だに死亡率が高い。これまでの研究から、低体温症の脾臓内で血小板が活性化され、活性化血小板から組織修復機能を有する血小板由来微小胞が放出されることが明らかとなった。本研究では、低体温時に体温維持のために生じる不随意の骨格筋の震え(シバリング)による骨格筋組織へのダメージに対して、血小板由来微小胞がどのように作用するのか、その修復機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低体温時に体温維持のために生じる不随意の骨格筋の震え(シバリング)による骨格筋組織へのダメージに対して、血小板由来微小胞がどのように作用するのか、その修復機構を解明することを目的とする。初めに、体温時に活性化血小板から放出されたPDMVに含まれる組織修復因子の特定を行うため、超遠心法によるPDMVの精製を行い、採取されたMVが血小板由来であること、さらに低温時はコントロール、脾摘コントロール、脾摘低体温の各群に比較して、PDMVが多いことをWB法によって確認した。これらのPDMVについて、申請者が以前低体温マウスモデルの末梢血液中および脾臓中の血小板を用いたRNAシークエンシングの結果より、低体温時に血中に放出されるPDMVが含んでいる可能性が高いβ-cateninをターゲットとして解析を行なった。マウス骨格筋培養細胞であるC2C12に、蛍光色素であるCMRAをラベルしたPDMVを添加したところ、細胞内への取り込みが確認された。また、C2C12培養細胞に、コントロール、低体温、脾摘コントロール、脾摘低体温の各々のマウスから採取したPDMVを添加した創傷治癒アッセイでは、低体温マウス由来PDMV添加群が最も細胞増殖が早いことが明らかとなった。さらに、低体温マウス由来PDMV添加培養細胞群におけるβ-cateninの発現が有意に増加していた。これらの所見から、低体温時に血小板から放出されるPDMVは、シバリング由来筋肉損傷治癒に働いていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス血漿からPDMVを精製する工程に時間を要したが、細胞培養実験におけるPDMVの取り込みの証明と、PDMVを取り込んだ細胞の増殖を確認できたことにより、低体温時の筋損傷にPDMVが関与しうることを示唆することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
低体温時に脾臓内血小板が活性化されることの意義の一つとして、低温に対する熱産生のためのシバリングに対する損傷治癒があることを証明するために、マウスを脾摘後、低体温から復温させるモデルを作成する。これらのマウスから腸腰筋の病理組織標本を作成し、PTAH染色によるシバリング由来筋肉損傷およびWB法によるβ-cateninの発現解析を行う。この2点の解析から、脾臓血小板から放出されたPDMVが筋肉損傷に働くのかを確認することによって、低体温時の血小板機能の新たな可能性を突き止めたい。また、PDMVに内包されるタンパク質の網羅的解析は、解析に必要となるタンパク量を収集することが難しいことから、まずは血小板のプロテオミクス解析を進めることとする。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)