Project/Area Number |
23K16514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
橘田 勇紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (60973287)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 人工関節置換術 / ロコモティブシンドローム / 運動機能 / 動作解析 / 縦断研究 |
Outline of Research at the Start |
人工関節置換術後患者は除痛を得られているものの、ロコモティブシンドロームと称される運動器の障害により移動能力が低下した状態からは脱しておらず、要介護のリスクが高い状態が持続している。本研究の目的は、人工関節置換術後患者のロコモティブシンドローム進行の危険因子を運動機能の側面から明らかにすることである。人口統計学的情報や画像情報、筋力や関節可動域といった一般診療での評価に加え、動作解析装置を用いた筋活動解析、関節運動解析などの包括的な運動機能検査とロコモ評価を術後早期より経時的に実施する。それらの結果をもとに、人工関節置換術後患者のロコモティブシンドローム進行の危険因子を検討していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
ロコモティブシンドロームは要介護と死亡のリスクを増加させるため、健康寿命延伸のために注力すべき課題である。本研究では、人工関節置換術後患者を対象に、ロコモティブシンドローム進行の危険因子を運動機能の観点から同定することを目的とした。 現時点でベースラインでの術前評価の実施が完了した症例は6例(病名;変形性膝関節症、予定術式;人工膝関節置換術、平均年齢;71.6±4.2歳、性別;男性3名 女性3名)となっている。それぞれにロコモ度テスト(2ステップテスト)を実施し、ロコモティブシンドロームの進行の有無を評価した。そして、下肢筋力、超音波検査機器を使用しての骨格筋形態の評価や、CTでの骨格筋量および下肢アライメントの評価、下肢筋力評価、歩行や階段昇降のパフォーマンステストに動作時の関節運動解析を組み合わせた包括的な運動機能評価を実施した。その結果、ロコモティブシンドローム進行の関連因子として非術側の大腿四頭筋の筋量と非術側の膝伸展筋力が関連していることが示唆された。現時点では横断的調査かつ対象者が少ないため、今後はその課題を解決すべく、より多くの対象者のデータ収集を行い、それぞれに縦断的な調査を実施し、因果関係を明らかにするように努めていく。本研究結果により、人工関節置換術後患者のロコモティブシンドローム進行の危険因子を運動機能の側面から同定でき、術後の運動療法プログラムの開発につながることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機器の準備やメンテナンスに約6か月の期間を要し、研究開始に遅延が生じた。しかしながら、現在は計画通りに対象者の検査測定が進行しており、概ね順調な運びとなっている。初年度の3月より対象者に対する検査測定が開始され、現時点で6名の術前評価が完了した。調査結果より術前にロコモティブシンドロームと判定された対象者は6名中5名であった。ロコモティブシンドロームの指標である2ステップ値と統計学に有意な相関を示した項目は、非術側の大腿四頭筋の筋量(r=0.90, p=0.037)と非術側の膝伸展筋力(r=0.88, p=0.019)であり、術前の変形性膝関節症患者は非術側の筋力に依存して移動能力を維持している傾向が明らかとなった。また動作の特徴として歩行中の遊脚相における膝関節の側方偏位と相関を示し(r=0.94, p=0.005)、ロコモティブシンドロームに関連した歩行動作の特徴であることが示唆された。今後は研究対象者のベースラインでの評価を継続するとともに、縦断的な調査を行い、同定された因子が、実際にロコモ非改善・進行に影響を及ぼすかを検証していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、次年度をベースライン評価の期間と設定し、人工関節術前患者のロコモティブシンドロームと運動機能についての関係を明らかにする。特に人工股関節置換術を施行予定の対象者が少ないため、より多くの対象者を登録できるように働きかけていく。現時点では術側非術側問わず膝周囲の筋力低下がロコモティブシンドローム進行の危険因子であることが予測されるため、研究データが十分に出揃った段階で、横断的な解析にて人工関節置換術の術前患者のロコモティブシンドローム進行の危険因子を同定する。そして、同時進行で対象者の縦断的な運動機能の調査(調査時期;術後6か月、12か月)を実施し、同定された因子が、実際にロコモ非改善・進行に影響を及ぼすかを検証するデータ解析を計画していく。更に転倒・骨折など、老年期での重大なアウトカムに影響を及ぼすかを検証する予定である。
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