Project/Area Number |
23K16554
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石垣 智恒 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (30866231)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 腱障害 / 腱 / 温度 / エネルギー代謝 / ATP / グリコーゲン |
Outline of Research at the Start |
腱障害は罹患率の高いスポーツ障害であり、その克服には発症メカニズムの理解が重要であるが、未だ解明には至っていない。しかしながら、近年、腱障害と腱エネルギー代謝機構の異常との関連が明らかにされつつある。エネルギー代謝機構の異常は、生体の恒常性維持に不可欠なエネルギーであるATPの産生を低下させる。腱におけるエネルギー不足は、腱の自己治癒力不足、延いては腱障害を引き起こす要因と推察される。さらに、高温環境への曝露もまた腱障害の危険因子と考えられている。そこで本研究課題では、腱の温度上昇に起因した腱エネルギー代謝の変化に着目し、腱障害の発症における腱エネルギー代謝の影響を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
罹患率が高く難治性となる腱障害の克服には、その発症メカニズムを理解する必要がある。腱障害と腱エネルギー代謝機構の異常との関連性を報告する研究が最近散見されるようになったことに加え、腱障害が運動の繰り返しによるオーバーユースによって生じることを考慮し、申請者は疲労に大きく関係するエネルギー代謝機構が腱障害発症に関与していると考えた。さらに、運動によって腱の温度が上昇することから、腱の温度上昇が腱エネルギー代謝機構におよぼす影響を明らかにすることを本研究課題の目的とした。 当初の計画では、運動が腱のATP(アデノシン三リン酸)におよぼす影響を明らかにするための実験を計画していた。しかしながら、腱ATPの定量方法の確立に時間を要したことに加え、エネルギー源であるグリコーゲンの定量も必要と考え、その手法の確立に尽力した。 今年度の大きな成果としては、腱ATPと腱のグリコーゲン含有量を定量する方法を確立したことが挙げられる。また、このエネルギー物質の量が生命活動において変化するかどうかを明らかにする必要があることから、摂取する糖質量の違いや絶食が腱エネルギー代謝機構におよぼす影響を調べた。その結果、低糖質食摂取や絶食によって腱グリコーゲンが減少することがわかった。この結果は、腱の恒常性維持においてグリコーゲンが利用されていることを示す。今後は、当初予定していた運動や温熱刺激が腱エネルギー代謝機構におよぼす影響を明らかにするための実験を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腱ATPの定量方法の確立に加え、腱グリコーゲンの定量方法の確立に時間を要した。さらには、腱で定量できたエネルギー物質の変化を調べるため、栄養介入を行う実験を追加した。そのため、当初計画していた運動や温熱刺激を実施するための実験の実施には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した腱ATPおよびグリコーゲンの定量方法を用いて、当初計画していた運動や温熱刺激の影響を明らかにするための実験を実施する。特に温熱刺激に関しては、予備実験を実施したが、in vivoで腱への適切な温熱刺激の実施に課題が残った。今後は、in vitroでの実験で温熱刺激の影響を見るなどの対応策が必要と考えている。
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