Project/Area Number |
23K16567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細川 大瑛 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70907708)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | パーキンソン病 / 視覚認知障害 / QOL / リハビリテーション |
Outline of Research at the Start |
パーキンソン病患者における視覚認知障害が『立ち上がり-歩き-座る』の一連の動作および生活の質に与える影響を検討し,さらにそれらが経過とともにどのように変化するかを明らかにする.本研究では,PD患者の起立-歩行-着座動作を,動作解析ソフトを用いて定量化し視覚認知障害による影響を検討する.そして縦断的に評価することで,病期の進行に伴った経過を明らかにすることを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病では視覚認知障害が高頻度に認められる.運動制御において視覚を含む感覚知覚情報と運動指令は互いに関与することは知られているが,パーキンソン病患者において視覚認知障害が与える運動機能への影響は,ほとんど明らかになっていない. 本研究は,パーキンソン病患者における視覚認知障害がどのように患者の移動能力および生活の質(QOL)に影響を与えるか検討し,さらにそれらが経過とともにどのように変化するか明らかにすることを目的としている. パーキンソン病患者の視覚認知障害と運動機能障害や生活の質との関連,およびその経過について明らかになれば,運動機能障害の病態理解が深まるだけでなく,実態に即した支援をするための医療及び福祉領域における基盤的事実になる. 本年度は,パーキンソン病患者を対象に,詳細な視覚認知機能検査を含む神経心理学的検査データ,QOLデータを取得した.この解析は令和7年度まで及ぶ予定となっている.また,パーキンソン病患者の歩行を含めた動作特徴の定量化に向けた動作解析手法の開発に着手した.当初予定していた研究参加患者数に達していないが,これまで取得したデータで得られた成果は,パーキンソン病患者の歩行特徴の定量化に適した身体部位の検討や,治療の効果を生活機能の水準で捉えることに寄与する成果である.令和5年4月から現在まで国立病院機構仙台西多賀病院に入院加療したパーキンソン病患者28名から詳細な視覚認知機能およびQOLデータを取得し,うち5名が動作解析に参加した.症例数がいまだ不十分であり,現時点では歩行特徴と視覚認知機能の関連,およびQOLとの関連を検討することが困難であるが,本研究の遂行により令和7年度には検証可能となる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では令和5年度にパーキンソン病患者10名の参加を予定しており,現時点では視覚認知機能検査を含む神経心理学的検査データ,QOLデータは28名に実施できた.これは予定以上の参加者を得ている.しかし動作解析に参加できた患者が5名と少ない状況になっている.その理由は,起立性低血圧や重度の姿勢保持障害を伴う患者が多く入院したこと、動作解析に使用する動画を撮影する環境の決定に時間を要したことが挙げられる.起立性低血圧や重度の姿勢保持障害を伴う患者は,1日の中で動作解析のための動画撮影ができるコンディションにある時間が限られており,研究者・患者双方のスケジュール調整に難航することがあった.そして研究計画に用いるDeepLabCutは,事前に身体部位をマーキングすることなく撮影された動画のターゲット部位を事後的に追跡できる簡便さがある一方で,被写体以外の背景はなるべくシンプルかつ毎回同じ環境であることが理想である.条件に合致した撮影環境の確保に時間を要し,本年度の動作解析患者は5名となった. 尚,本研究に参加したパーキンソン病患者において,現在のところほぼ全例から詳細な視覚認知機能データ,QOLデータを得ることができている.この両データを用いて,視覚認知機能がQOLとどのように関連しているかを令和6年度に検証する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度における本研究の参加者のうち,動作解析に至ったパーキンソン病患者は5名である.令和6年度が終了した時点で20名以上になるためには,研究参加者を令和5年度以上に募る必要がある. 本研究の啓発活動の一つとして,仙台西多賀病院スタッフを中心に院内勉強会へ参加を募り,パーキンソン病患者への臨床症候や生活支援の重要性を発信する.これに加え,本研究についても広報する予定である.リハビリテーション科へのパーキン病患者の処方が増え,令和6年度における本研究参加者が令和5年度以上になることを期待する.
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