Project/Area Number |
23K16880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60070:Information security-related
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中井 雄士 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00926389)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 秘密計算 / 暗号通貨 / 物理暗号 |
Outline of Research at the Start |
ビットコインなどの暗号通貨をベースに構成された暗号プロトコルでは、攻撃者に対し罰金の支払いを強制する仕組みを構築でき、通常モデルでは防げない攻撃を抑止できる。本研究では、暗号通貨による罰金で不正を抑止するこの仕組みを、計算機上ではない物理世界へ応用することを試みる。この目的の達成には、物理世界で不正を検知した際にその証拠として得られる情報を、暗号通貨ネットワークで使用できる形式へ変換する機構の実現が課題となる。このとき、暗号通貨の利点である非中央集権な性質を重要視し、信頼できる機関に頼ることなくこの機構を実現することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究成果は,(A)金銭的ペナルティに基づく公平な秘密計算に関する研究と (B)物理暗号の一種であるカードベース暗号に関する研究の2つに分類できる.それぞれの主な成果について,以下に示す. (A)に関する成果として,信頼できる銀行に基づき攻撃者に金銭的なペナルティを課すことで公平性を達成する秘密計算プロトコルに関する研究に取り組んだ.既存方式は,参加者が2人の場合のみに動作する限定的なものであったが,本研究で任意の参加者数に適用可能な方式を初めて構成した.本成果は査読付き国際会議ICICS2023で発表し,またその改良版を国内会議SCIS2024で発表した.さらに,ビットコインに基づいた公平な宝くじプロトコルに関する研究にも取り組み,既存研究の問題であった参加者数の制限を取り除くことに成功した.本成果は,査読付き国際会議ICISC2023で発表し,またその改良版を国内会議SCIS2024で発表した. (B)に関する成果として,Garbled Circuitと呼ばれる秘密計算プロトコルを物理的なカードで実現する研究に取り組んだ.既存方式では,計算対象の論理回路におけるゲート1つ毎に8枚のカードが必要であったが,これを6枚に改善できることを明らかにした.本成果は,査読付き国際会議ICISC2023で発表した.さらに,カードベースのセキュアソーティングプロトコルに関する研究にも取り組み,既存方式よりもカード枚数に関して効率的な方式を国内会議SCIS2024で発表した. また,関連研究として,検索可能暗号に関する研究にも取り組み,得られた成果を国内会議SCIS2024で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主に以下2つの理由から,進捗状況を上記の通り評価した. (1) 本研究の主軸となる「金銭的ペナルティに基づく公平な秘密計算」と「カードベース暗号」の両分野において充実した成果が得られ,得られた結果を査読付き国際会議で発表できたため. (2) 金銭的ペナルティに基づく公平な秘密計算プロトコル構築の過程において,金銭的なエンティティを扱うモデルの定式化およびこれに基づく安全性証明に関する知見を得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度の成果に基づいて金銭的なエンティティを扱う新たな暗号プロトコルを構築することを目標に研究を行う.特に,カードベース暗号に金銭的なエンティティを導入することで得られる安全性を検討し,具体的なプロトコルを構成することを目指す.また,次年度も本年度と同様に,得られた成果については査読付きの国際会議や学術論文誌への採録を目指す.
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