Project/Area Number |
23K16881
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60070:Information security-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 恭佑 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (90935743)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | ゼロ知識証明 / ブラックボックス帰着 / 暗号理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は非対話ゼロ知識証明(NIZK)という暗号技術を改良する手法が存在するかを理論的に明らかにする.NIZKとは解くことが難しいとされるNP言語の答えをある人が知っていることを,答えそのものを明かさず他人に証明する技術である.異なるNP言語に対するNIZKが与えられたときに,それらを用いて“等式言語”と呼ばれる特殊な形をした言語を証明するNIZKが一般に構成可能かを,与えられるNIZKの特徴やその証明するNP言語の観点から検討する.等式言語を証明するNIZKはAIなどの豊富なアプリケーションを持つ.このような研究は今後のNIZKの研究開発に大いに影響を与えると期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
非対話ゼロ知識証明(Non-Interactive Zero-Knowledge proof system, NIZK)とは,ある秘密の情報を知っていることを,その情報を明らかにすることなく他者に納得させるための暗号技術である.どのような情報に対して証明ができるかはNIZKの構成によって異なるため,あるNIZKによって証明される問題(言語)を拡張できるかどうかを検討するのは重要な課題である. 2023年度はNIZKの一種であるNon-Interactive Zero-Knowledge Proof of Knowledge(NIZKPoK)の言語拡張可能性について検討した.通常のNIZKを等式言語NIZKに一般に拡張することができないのは既に知られている.しかしNIZKPoKはNIZKよりも高性能な技術であるため,NIZKではできないことがNIZKPoKで可能であることは十分に考えられる.そこで,NIZKPoKから等式言語NIZKが一般に構成可能であるかを調べ,そのような構成が(ブラックボックス的に)不可能であることを数学的に証明した.等式言語NIZKという重要なアプリケーションがNIZKPoKという強力なビルディングブロックからでも一般には構成できないという知見は,今後のNIZKの研究に対して大きな示唆を与えるものである. 本成果に関して既に論文の執筆は完了しており,暗号理論のトップジャーナルであるDesigns, Codes and Cryptographyに現在投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常の非対話ゼロ知識証明から等式言語やOR言語への拡張が一般に不可能であることは既知であり,本研究課題ではさらに発展的な非対話ゼロ知識証明を用いた場合や,先述の言語以外への拡張可能性を検討するものである.2023年度はNon-Interactive Zero-Knowledge Proof of Knowledge(NIZKPoK)という非対話ゼロ知識証明より高性能な暗号技術の等式言語への拡張可能性を検討し,そのような拡張が一般に不可能であることを数学的に証明した.本成果は現在暗号理論のトップジャーナルであるDesigns, Codes and Cryptographyに投稿中である.発展的な非対話ゼロ知識証明を用いた場合の言語拡張可能性を検討するという当初の計画通りの研究内容であり,既に論文をジャーナル投稿していることも加味して研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
既存の等式言語NIZK拡張への取り組みは,2023年度の成果も含めて全て公開鍵暗号の暗号文に対する証明をするNIZKからの言語拡張可能性を考えたものである.しかし公開鍵暗号以外に対するNIZKも存在するため,それらのNIZKから等式言語NIZKへの拡張を検討するのは重要な課題である. また近年二つの暗号文の中に隠されたメッセージが同じであるかどうかを明らかにできる特殊な公開鍵暗号が提案された.つまりこの公開鍵暗号は,等式言語NIZKとほぼ同等のことができることを意味する.このような公開鍵暗号とそれに対するNIZKが与えられた時に,等式言語以外のOR言語などに対するNIZKが一般に構成可能かを検討するのも興味深い研究課題である.
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